地方に住む上でよく聞くことの一つとして、「地方は車が無いと生活できない」というのがあります。
そのため地方移住すれば生活コストが安くなるどころか、車の高い維持費に悩まされることになります。
実際にぼくも人口12,000人の町に住んでいて、車が無いと生活できない、という状況下にあります。
とはいえ、「地方に住んでいるから車は無いといけないのか」と言われると、条件次第では車無しでも地方ライフは満喫できます。
ただでさえ生活コストが安い地方で、金食い虫ともいえる車を手放せれば、金銭的に相当楽な生活ができると思いませんか??
そこで今回は、地方に住んでいながら車無しで生活が出来る条件についてまとめてみました。
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以前は愛知の郊外にて車無しで生活していました
栃木に来る前、ぼくは愛知県北名古屋市という、名古屋のベッドタウンと言える小さな市に住んでいました。
名古屋の隣とはいえ、都市部に比べたらかなり長閑な場所なので十分に地方と認識していいでしょう。
そこで車無し生活を1年9ヶ月ほど送っていました。
ちなみにこの時のライフスタイルについてですが、こんな感じでした。
<北名古屋市での車無し生活>
- 最寄り駅まで自転車で10分
- スーパーまでは徒歩3分
- 職場までは電車通勤
- たまーに車を使いたいときは、同居していた祖母の車を借りた(大体月1程度)
- ちなみにカーシェアリングのステーションも近くにあったので会員登録だけ済ませた(結局使わなかった)
という状況下でした。
結局は北名古屋市で生活を始めた1年10ヶ月目に車を所有することになるのですが、それまでは特に問題なく生活が出来ていたのです。
車を持っていなかったため、生活コストはかなり安く抑えられていました。
車無しの状況で名古屋で生活していたころのリアルな体験談は以下の記事で詳しく書いています。
自動車の維持費は軽自動車でも2年間で30万円は掛かる
自動車の維持費は安いと言われる軽自動車であっても、2年間で30万円は掛かると見た方が良いです。
2年間の支出 | |
ガソリン代(ガソリン) | 119,400円 (4975/月×24) |
自賠責保険 | 25,070円 (/2年) |
自動車税 | 10,800円 (5,400/年×2) |
自動車保険(任意保険) | 84,840円 (42,420/年×2) |
車検(回/2年) | 43,890円 (/2年) |
合計金額(4年間) | 284,000円 |
毎月だいたい12,000円くらいの出費です。
上記に加えて自動車本体の価格も加わるので、実際にはもっと苦しい家計になります。
そのため実際には地方に住むことによる生活コストの安さは、自動車の維持費と相殺されてしまうので、そこまでゆとりのある生活は送れないのです。
自動車の維持費については下の記事で詳しく解説しています。
地方に住みながら車無し生活を実現するための4つの条件
ここからは地方に住んでいても車を持つ必要が無い条件に付いて解説します。
すべての条件に当てはまる必要はありませんが、これらを基に車が無くても生活できるかどうかを検討してみましょう。
<地方で車無しで生活する4つの条件>
- 駅が徒歩圏内
- 職場が徒歩圏内
- 街の繁華街に住んでいる
- カーシェアリングのステーションが近くにある
条件1.駅が徒歩圏内にある
まず一つ目は、駅が徒歩圏内だったり自転車で行ける範囲内にあること。
地方に住む最大の悩みは、移動手段が限られてしまうことです。
しかし駅の近くに住んでいるのであれば、車無しでも移動できる範囲がかなり広がります。
ぼくの場合は職場が電車で行けるところだったので、駅が近いことで車を持つ必要性が無かったのです。
条件2.職場が徒歩圏内にある
車無しで生活をする二つ目の条件は職場が徒歩圏内にあること。
ぼくは幸いにして当時の職場までは電車で通うことが出来ましたが、地方だと電車で行けない場合もあるでしょう。
そういう時は、職場まで徒歩で通える場所に住むこと。
こうすることで車を持つ必要が無くなるだけでなく通勤時間も無くなるので、時間にゆとりを持つことが出来ます。
条件3.街の繁華街に住んでいる
駅や職場が近いと言っても、普段の生活の買い物が不便だったら本末転倒ですよね。
なのでスーパーが徒歩圏内だったりなど、町の繁華街に住んでいる事も条件に入ってくるでしょう。
「いやそもそも駅の近くにスーパーってあるんじゃ…」と都会の方は思うかもしれませんが、地方の場合、駅によってはコンビニすら無い場所もあり得ます。
もし駅の近くにスーパーが無いのであれば、駅とスーパーの中間地点くらいに住まいを構えることも考えてみましょう。
条件4.カーシェアリングのステーションが近くにある
毎日の通勤は問題ない、そして買い物も支障が無い、とはいえ地方に住んでいると車を使わないと行けない場所に行きたいという状況が出てくるでしょう。
そういう時は、カーシェアリングを使いましょう。
カーシェアリングを毎月5回利用するくらいであれば、車を所有するよりも断然お得になりますよ。
オススメのサービスは47都道府県で展開しているタイムズカープラス。
市町村単位で見るとさすがに全地域は網羅できていませんが、住んでいる場所が対象エリア内であれば、カーシェアリングを使うこと前提にライフプランを立てるのもアリですね。
4つの条件を吟味したうえで考える、地方に住んでいたとしても車が不要な3つのパターン
先述の4つの条件を吟味すると、地方に住んでいても車無しで生活できるパターンはこの3つになるのではないでしょうか。
<車無しで生活できる3つのパターン>
- 駅・スーパー・職場が近くにある
- 駅・スーパーが徒歩圏内であり、職場までは公共交通機関で行ける
- 駅・職場は近くにあり、スーパーまではカーシェアリングを利用
実際には県庁所在地や政令指定都市などの地方都市でないと実現は難しいかもしれません。
しかし車は一度持った時点で生活コストが跳ね上がります。
「安い」と言われる軽自動車でさえも、2年間の維持費だけで30万円もかかります。
そのため「車が好き」でない限りは、まずこのパターンに当てはめられないか考えた上で、車の所有を検討されるのがいいですよ。
地方で車を持たない条件を満たせないあなたに2つのご提案
地方と言っても状況は様々なので、先述したパターンにどう頑張っても当てはめられない方も少なくないのではないでしょうか。
そんなあなたのために、自動車を所有せずに地方ライフを満喫するための奥の手ともいえる手段を2つお伝えしますね。
スーパーが近くに無いのであればネットスーパーを活用する
毎日の通勤は問題無いけどスーパーが近くに無く、買い物に困るのであれば、ネットスーパーを活用することをまず考えましょう。
北海道・東北・関東・中部・関西(大阪・兵庫)のエリアであればイトーヨーカドーネットスーパーを利用すれば、注文から最短4時間から配達をしてくれる、迅速なサービスです。
またイオングループが運営しているおうちでイオンであれば北海道と福井県以外の45都府県で展開しています。
買い物をする場所が無いのであれば、おうちの中で買い物をしちゃいましょう。
自動車ではなくバイクを所有する
カーシェアリングのステーションが近くに無いけど車は持ちたくない、というのであればバイクを持つのも一つの手段です。
「結局かよ…」という話になりそうな手段ですが、バイクって燃費・維持費を見ると軽自動車よりも遥かに安いんですよね。
高速道路は走れないタイプですが、ホンダ・スーパーカブ110であれば燃費は64km/ℓ、税金は2,400円(軽自動車税)と、自動車に比べて破格の安さを誇ります。
高速道路を走れる125-250ccクラスであっても、軽自動車と比較したらかなり安いです。
<軽自動車とバイクの2年間の税金・保険代比較>
軽自動車 | バイク125cc以下 | バイク250㏄以下 | |
自賠責保険 | 25,070円 | 6,920円 | 12,024円 |
自動車税 | 10,800円 | 4,800円 | 7,200円 |
重量税 | 5,000円 | 0円 | 2,520円 |
任意保険 | 84,840円 | 13,000円 | 20,000円 |
車検代 | 43,890円 | 0円 | 0円 |
合計 | 169,600円 | 24,720円 | 41,744円 |
※軽自動車は軽減税率50%の額を基に算出
※バイクの維持費については下記事参照
2年間の自動車保険・税金だけに絞って比較してみた場合、軽自動車よりも10万円以上も安くなるんですよね。
ここに更に駐車場代・本体価格が加わるので、その差はさらに広がります。
しかし「けどバイクって免許無いと運転できないじゃん」というツッコミをしたくなる方もいると思います。
というわけでバイクの免許を取るのに必要な費用を見てみましょう。
自動車免許有 | 自動車免許無 | |
小型(125cc以下) | 92,000円 | 180,600円 |
中型(400cc以下) | 120,700円 | 209,300円 |
名鉄自動車専門学校の料金表より一部抜粋(税抜き価格)
小型・中型ともに自動車免許を所有しているのであれば、十分に元が取れる金額です。
バイクだと自動車よりも不便な面はあるかもしれませんが、移動手段の一つとして見ればかなり節約効果の高い方法と言えるでしょう。
まとめ:地方在住者が車無しで生活するのは条件を揃えれば可能
地方在住者が車無し生活を実現するために必要な条件は以下の通りです。
<実現する上で考慮すべき条件>
- 駅が徒歩圏内
- 職場が徒歩圏内
- 街の繁華街に住んでいる
- カーシェアリングのステーションが近くにある
上記の条件を満たせない場合に取るべき2つの対策
- ネットスーパーの活用
- バイクの所有
このように手を打っていけば、よほどの過疎地でない限りは車無しでも生活することは全然可能です。
とはいえ実際のところは、地方に住んでいるなら車はあった方がいいです。
けどやはり、自動車は税金や維持費に泣かされます。。。
なのであなたの地方での生活に、本当に自動車が必要なのか考えた上で、地方ライフを満喫してくださいね。
車を所有して自動車の維持費を抑えたい人は、以下の記事で詳しくまとめています。