クレジットカードのメリットはポイントを貯められたり、支払いが簡単になったりするなどが挙げられます。ポイントに関しては他のキャッシュレス決済よりも還元率が高めなので、より手っ取り早く貯められます。
しかし、中にはクレジットカードが原因で「毎月の支出額が跳ね上がってしまった!」なんていう人もいるのではないでしょうか?
この記事では、クレジットカードやキャッシュレス決済を使い過ぎてしまったと感じている人に向けて、原因と防止策について解説します。
- キャッシュレス決済を使い過ぎる理由
- 使い過ぎを防止するための心得
- 正しいキャッシュレス決済の使い方
キャッシュレス決済での使い過ぎを未然に防げるようになるので、ぜひご一読ください。
Contents
クレジットカード・キャッシュレス決済を使い過ぎてしまう理由4選
クレジットカードを使い過ぎてしまう理由は、以下の4つです。
- 利用限度額を預金額と勘違いする
- 手持ち資金がなくても買い物ができる
- リボ払いにより毎月の返済負担が小さくなる
- ポイント獲得が目的となっている
ひとつずつ解説します。
1. 利用限度額を口座残高と勘違いする
利用限度額と口座残高を混同してしまうために、使い過ぎてしまう場合があります。クレジットカードにはそれぞれ利用限度額が設けられており、利用明細の近くに記載されていることが多いです。
カード利用明細をあまり見ない人ならば、自分が現時点で使える残高と勘違いする可能性も十分にあるでしょう。「こんなに残高があるから、数万円程度の買い物なら大丈夫」と、派手にお金を使ってしまう人もいるのではないでしょうか。
一般的なクレジットカードの利用限度額は100万円〜200万円ほどです。口座残高よりも利用限度額のほうが低い人も多いでしょうから、見間違えないようにしたいところです。
2. 手持ち資金がなくても買い物ができる
手持ち資金がなくても買い物ができてしまうことも、使い過ぎてしまう原因のひとつに挙げられます。現金払いなどのリアルタイムで残高が減る決済手段の場合、手持ち資金がなければ次の給料日まで待つなどして、セーブできるでしょう。
しかし、クレジットカードは利用限度額を超えない限りは、利用停止することなく使い続けられます。
極端な話、限度額が100万円であれば、引き落としされる銀行口座に一切お金が入っていなくてもクレジットカードで買い物が可能です。それゆえに、つい使い過ぎてしまいます。
3. リボ払いにより毎月の返済負担が小さくなる
リボ払いを利用している人の場合、目先の支払い額が少額で済むので「そんなにお金を使っていない」と錯覚し、知らない間に使い過ぎてしまいます。
リボ払いとは、利用額にかかわらず毎月の支払い額を一定にするシステムのことです。出費の多い月でも負担のない金額で支払える一方で、15%もの超高利息が未払い金にかけられてしまいます。
未払い残高が膨らむと最悪の場合、自己破産せざるを得ない事態に陥りかねません。
※元金定額方式の場合
毎月の支払い額がリボ払いだと小さくなるからと言って何も考えずに利用していると、後々になって大きくのしかかってきます。
4. ポイント獲得を目的に買い物をしてしまう
クレジットカードで付与されるポイント獲得が目的になると不要な物を買ってしまい、結果的に使い過ぎる場合もあります。とくにキャンペーンなどでポイント還元率が高くなっていると、ついポイントに目が行き、購入したくなるものです。
ポイント還元率が高い商品は確かにお得ですが「本当にその商品が必要か?」の観点で購入しないと、ただの無駄遣いで終わります。
「最大の節約術はそもそも買わないこと」という意識に基づいて、買い物をすることが大切です。自分が欲しくもない商品をポイント獲得のために購入するという行為は、ただの無駄遣いであることを理解しておきましょう。
クレジットカードの使い過ぎを防ぐ方法6選
クレジットカードの使い過ぎを防ぐにあたって、おすすめの方法は以下の6つです。
- 決済する予算額を決めておく
- 明細を定期的にチェックする
- 利用限度額を下げる
- デビットカード・電子マネーに切り替える
- 保有するカードを2-3枚程度に留める
- 使い過ぎを通知してくれるアプリを導入する
できることから取り入れてみてください。
1. 決済する予算額を決めておく
クレジットカードで決済する金額を事前に決めておくと、使い過ぎを未然に防げます。予算額を決めておけば計算しながら決済することになるので、自然と支払い額を意識できます。
予算額を決めるときのポイントは、家賃やスマホ代などの固定費を含めることです。
決めた予算額から固定費を引いて、残った額で1ヶ月間やりくりします。
月初に予算額を決めることで、1日もしくは1回の買い物での利用額をざっくり計算できます。あとはその計算額に従って、クレジットカードで買い物をしましょう。
2. 明細を定期的にチェックする
クレジットカードの明細を頻繁にチェックすることも、使い過ぎ防止に効果的です。明細には自分が支払った履歴がすべて明記されているので、たくさんの気付きがあります。
- 今月どのくらい使っているのか
- 無駄な物を購入していないか
- サブスクの解約忘れはないか
しっかり分析すれば、節約につながる項目がわかるようになります。明細を定期的にチェックすることで自分が無駄遣いしているかどうかの振り返りができ、意識的に使い過ぎを防げるでしょう。
3. 利用限度額を下げる
カードの利用限度額を下げることも、使い過ぎを防ぐ効果的な方法です。クレジットカードは利用限度額に達したら、自動的に使えなくなる仕組みとなっています。
カードを持ち始めた当初はキャッシュレスの感覚に慣れていないので、利用限度額を気にせずに使ってしまう傾向にあります。そのため、クレジットカードやキャッシュレスに使い慣れていない人は、なるべく低い利用限度額から始めるのがおすすめです。
また、利用限度額を下げておくと万が一クレジットカードを紛失したときに、被害が抑えられるメリットもあります。
4. デビットカード・電子マネーに切り替える
デビットカードや電子マネーのような、残高がないと使えない決済方法に切り替えることも、使い過ぎの防止につながります。デビットカードは支払いと同時に自分の口座からお金が引き落とされ、電子マネーは事前に現金をチャージしてから決済します。
どちらも自分の手持ち資金内でしか買い物できないので、想定以上の支払いにはなりません。現金と同じ感覚で使えるうえにスマートに決済できるので、キャッシュレス初心者におすすめの決済手段です。
デビットカードと電子マネーはそれぞれ一長一短あるので、好みに応じて選ぶといいでしょう。
5. 保有するカードを2、3枚程度に留める
カードの保有枚数が複数に渡る人は、2、3枚程度に絞り込みましょう。カードを複数枚保有していると管理の手間が増えたり、年会費がかさんだりなどのデメリットがあります。
カードを管理しきれなくなるとカード明細をチェックするのが大変になり、気付かぬ間に使い過ぎてしまうことが考えられます。
また、年会費がかかるクレジットカードは支出が増える点も見逃せません。1枚当たりの年会費が1,000円だったとしても、10枚も持っていれば年間1万円の出費となります。
支出を最小限に抑えるためにも、カードの保有枚数は最小限に絞るべきです。
6. 使い過ぎを通知してくれるアプリを導入する
カードを使い過ぎたときに通知してくれるアプリを導入することも、検討してみてください。
クレジットカードの公式アプリの中には、利用額が一定以上になった際に通知してくれる機能が搭載されています。また、クレジットカードと連携できる家計簿アプリでも、同様の機能が搭載されています。
使い過ぎが心配な人は導入を検討しましょう。
【体験談】クレジットカードを使い過ぎた人の末路
クレジットカードを使い過ぎたとしても、収支が問題なく回っているのであれば問題ありません。しかし、利用額が収入を大きく上回ってしまうと、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
かつてぼくは、クレジットカードを収入以上に使ってしまい、痛い目を見た経験があります。ここからは、クレジットカードを使い過ぎるとどうなるのかを、ぼくの体験談とともに紹介します。
滞納して新規カードの審査に落ちた
クレジットカードの毎月の利用額が収入を上回ると、やがて貯金が底を尽きて滞納しがちになってしまいます。
滞納が1日2日程度で、数回くらいであればまだ問題ありません。ただ、繰り返してしまうと信用情報に傷が付いてしまいます。
そして、何度か滞納してしまった後に新規カードの申込みをしてみたら、審査に落ちてしまいました…。申し込んだカードはランクなしの一般カード。信用情報がないのかと凹みましたね。
クレジットカードの審査落ちについては「クレジットカードの審査に落ちる理由6選!審査基準と落ちた人が取るべき対策を解説」の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
キャッシング・リボ払いに手を出して多額の返済を迫られた
新たなクレジットカードを作れなくなるだけならまだいいのですが、僕の場合、そこからキャッシングやリボ払いにまで手を出してしまいました。クレジットカードの引き落としができなくなるほどにキャッシュがなくなったとき、ぼくが取った対処法が以下の2つでした。
- リボ払いに回して次月の引き落とし額を下げる
- キャッシングを利用して現金を作る
リボ払いとキャッシングを繰り返し利用した挙句、気が付いたらトータル160万円もの負債にまで膨れ上がっていました…。
親や親戚の助力を得て、なんとか2年ほどで完済できましたが、利息額だけで数十万円は支払ったのではないかと思います。少しでも早く完済するために、ボーナスの全額を突っ込んだのは本当に悲しくなりました…。
クレジットカードのリボ払いについて詳しくは「【必見】クレジットカードのリボ払いとは?仕組みと利用時の注意点3つを解説」の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
クレジットカード・キャッシュレス決済の使い過ぎを防ぐおすすめの使い方
ここまでクレジットカードで使い過ぎないための対策を紹介してきましたが、すぐに実践するのは難しいと感じる人もいるでしょう。そこで、使い過ぎのリスクを最小限に抑えるために、以下のように支払い方法を分けるのがおすすめです。
- 固定費の支払いはクレジットカード
- 変動費の支払いはデビットカード・電子マネー
- 大きな買い物は現金払いも選択肢の1つ
ひとつずつ解説します。
固定費の支払いはクレジットカード
毎月決まった額を支払う固定費は、クレジットカード決済がおすすめです。固定費とは、以下のような項目を指します。
- 家賃
- サブスク代
- スマホ代
- 光熱費 など
固定費は基本的に支出が一定なので、クレジットカードで決済したとしても使い過ぎる心配がありません。
家賃などの高額な請求をクレジットカードで支払える人にとっては、たくさんのポイントを獲得できます。
ポイント還元率1%のカードで毎月10万円の固定費を支払った場合・・・
毎月獲得できるポイント
=10万円×1%=1,000ポイント
1年間で獲得できるポイント
=1,000×12ヶ月
=12,000ポイント
固定費であれば使い過ぎる心配がないので、クレジットカードでの決済におすすめです。
変動費の支払いはデビットカード・電子マネー
食費を始めとした、月によって変動が大きい支出項目はデビットカードや電子マネーで支払いましょう。残高がある分しか使えないので、購入を決断する前に買う必要の有無を判断する機会を持てます。
デビットカードや電子マネーは残高分しか使えない点では、現金払いとよく似た決済方法です。そのため、オートチャージ設定をしていない限りは、使い過ぎる危険性がないと言えるでしょう。
変動費は自分の気分や欲望に左右されやすいので、お金の管理が苦手な人は決済方法に関係なく使い過ぎてしまいます。ポイント還元率はクレジットカードよりも低いものの、利用額を把握しやすいので使い過ぎ防止になるはずです。
大きな買い物は現金払いも選択肢の1つ
家具や家電など、まとまった費用がかかる支出についてはキャッシュレス決済ではなく、現金払いがおすすめです。クレジットカードの場合は気軽に支払いができる分、ためらいなく大きな買い物ができてしまいます。
反対に、現金払いであればまとまった資金が目の前でなくなるというインパクトがあるので、購入する手前で考えるようになるはずです。
また、クレジットカードの場合は引き落とし日が翌月末以降とタイムラグが発生するので、お金の管理が難しいことも挙げられます。とはいえ、大きな買い物をクレジットカードで決済すればポイントを一気に貯められるので、慣れてきた段階で移行してみるのもいいでしょう。
クレジットカード・キャッシュレスを適切に使えばお得に便利に買い物ができる
クレジットカードを使い過ぎてしまう人が適切に家計を管理するコツはいくつかありますが、もっとも効果的なのは決済方法を変えることです。クレジットカードの使い過ぎをそのまま放置してしまうと、信用情報に傷が付いたり負債を背負ったりなどのリスクがあります。
クレジットカードを使い過ぎないように、程よい距離間で付き合えば、ポイントを貯めてお得に買い物ができるようになります。使い過ぎに気を付けながら、日常生活の中でクレジットカードで買い物してみてくださいね。
なお、クレジットカード生活をやめて他の決済方法に切り替えたい人は「クレジットカード生活をやめたい人がやめる方法とおすすめの決済方法4つを解説」の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。