高額な買い物をするときに便利な支払い方法がショッピングローン。中には、金利0で利用できることもあり、利息を一切支払う必要がありません。
とはいえ、金利0だからと言って無闇に利用してしまうと、家計の悪化につながりかねません。そのため、ショッピングローンは金利に関係なく節度を持って利用することが大切です。
本記事では、ショッピングローンについて以下の内容を解説します。
- ショッピングローンを利用するデメリット
- 適切に利用するためのポイント
- 実際に金利0でショッピングローンで買い物ができる商品・サービス
ショッピングローンを組み過ぎて支払いが滞る、といったことがないように、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
ショッピングローンとは?金利0の仕組みも解説
ショッピングローンとは、購入した物・サービスに対して分割で支払いをする方法のことです。原則として金利が発生しますが、店舗によっては一切発生しないローンを提供しています。
ここからは、ショッピングローンの概要と金利0で提供している仕組みについて解説します。
概要
ショッピングローンの仕組みは、消費者の購入代金を信販会社が立て替え払いをすることで成り立っています。ショッピングローンの契約が成立したら、利用者は購入店舗ではなく信販会社へ決められた代金を返済していくことになります。
原則として金利が発生し、相場は年12.0~15.0%程度です。
参考までに、20万円の商品を年15.0%の金利で12回払いした場合の総返済額は、以下のようになります。
内訳 | 金額 |
---|---|
1ヶ月あたりの支払額 | 1回目:18,619円 2回目以降:18,000円 |
総支払額 | 216,619円 |
うち利息 | 16,619円 |
金利0で提供できる理由
ショッピングローンは基本的に金利が発生するものですが、中には金利0で提供している店舗もあります。金利0で提供できている理由は、店舗側が本来発生する利息を負担してくれているためです。
店舗側にとっては、利息を負担してでもショッピングローンで購入してもらったほうが、利益を上げられると判断しているのでしょう。
利用者にとっては金利0で利用できることで、月々の支払額を抑えつつも、総返済額は一括購入時と同額なので購入しやすくなります。
他の借入方法との比較
高額な買い物をするときの支払方法は、ショッピングローンだけではありません。そのため、他の支払方法のメリット・デメリットも考慮したうえでショッピングローンを選ぶことが大切です。
以下の表では、ショッピングローンを含めた他の借入方法と比較してみました。
上限金利 | 支払い回数 | 特徴 | |
---|---|---|---|
ショッピングローン | 年12.0~15.0% (金利0で利用可の店舗あり) |
契約時に決める | ・特定の商品を購入する場合のみ利用可能 ・借入できるのは一度だけ ・支払回数の変更は原則不可 |
リボ払い | 年15.0%程度 | 月の返済額に応じて変動 | ・月々の返済額を柔軟に調整できる ・利用可能枠の範囲内であれば追加での利用が可能 ・クレジットカードでの支払いのみ対応 |
カードローン | 年15.0~18.0% | 月の返済額に応じて変動 | ・月々の返済額を柔軟に調整できる ・使用用途が決められていない ・上限額の範囲内であれば追加での借入が可能 |
金利0の特典がなかったとしても、リボ払いやカードローンと比べると金利が低めであることが特徴です。一方で、追加での借入ができないことに加え、支払回数の変更も認められない点には注意が必要です。
リボ払いについては「【必見】クレジットカードのリボ払いとは?仕組みと利用時の注意点3つを解説」の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
金利0でもショッピングローンを利用するデメリット
金利0でショッピングローンを利用すれば月々の支払額を抑えられるだけでなく、利息を支払うこともないので、メリットばかりに思えます。しかし、ショッピングローンは金利0であっても以下のようなデメリットがある点に注意が必要です。
- 余計な物を買ってしまう
- 固定費が増えるリスクがある
- 借金が膨らむきっかけになる
資金繰りが難しくなる事態に陥りかねないので、ひとつずつ押さえておきましょう。
余計な物を買ってしまう
ショッピングローンにより月々の支払額を抑えられると、購入する心理的ハードルが下がり、つい余計な物を買ってしまうこともあるでしょう。
必要な物をショッピングローンで購入するのであれば、問題ありません。
しかし、不要な物を購入してしまうと購入代金にプラスして、さまざまなコストが発生してしまいます。物を維持したり、処分したりするための費用もかかります。
ショッピングローンを利用する前に、本当に必要なのかどうかを考えることが大切です。
固定費が増えるリスクがある
ショッピングローンは毎月決められた金額を返済しなければならないため、固定費が増えることも考慮する必要があります。家計において変動費は意識すれば調整できるものの、固定費は毎月必ず支払わなければならないので、家計管理や貯金が難しくなります。
毎月の支払いに必要な金額が増えると、ゆとりのある生活を送ることが難しくなるでしょう。
利用する前に毎月の支払いを滞りなくできるのか、家計簿を確認することが大切です。
借金が膨らむきっかけになる
ショッピングローンは立派な借金の一種です。今まで借金をしたことがない人がショッピングローンを利用すると「もう少し借入してもいいかな」と考え、必要以上の金額を借りてしまうことが考えられます。
とくに、金利0のショッピングローンだとお得に感じてしまい、抵抗なく利用できるものです。
借金とわかっていながらも、滞りなく返済できるのであれば問題ありません。しかし、借金が膨らむと資金繰りが大変になり、返済が滞ってしまうと信用情報に影響を及ぼすこともあります。
ショッピングローンを利用する際は金利に関係なく「借金をしている」と、自覚することが大切です。
金利0のショッピングローンのメリットは総返済額に利息がかからないこと
金利0のショッピングローンを利用するメリットは、総返済額が一括支払い時と同額であることです。本来のショッピングローンは金利が年12.0~15.0%ほどかかり、一括支払い時よりも支払額が多くなります。
そのうえ、月々の支払額が小さくなるので負担なく返済できます。本来発生する金利を支払う必要がないため、高額な物やサービスをすぐにでも購入したい人におすすめの支払い方法です。
金利0のショッピングローンを適切に利用するポイント
金利を支払うことなく高額な物やサービスを分割払いで購入できる金利0のショッピングローンでも、適切に利用しないと返済が困難になることもあります。そこで、ショッピングローンを利用する際は以下のポイントを押さえておくことをおすすめします。
- 一括払いでも購入する物だけに利用する
- 支払い回数はできるだけ長めに取る
- 完済するまでは別のローンを組まない
ひとつずつ見ていきましょう。
一括払いでも購入する物だけに利用する
購入前には「一括払いしか対応していない物やサービスだとしても購入するか?」という判断基準を持つことが大切です。
金利0のショッピングローンは月々の支払額が低くなるので、購入するにあたっての心理的ハードルが一気に下がります。そのため、つい余計な物も購入してしまいがちです。
そこで、購入するにあたっての心理的ハードルがある一括払いでも支払うかどうかを検討することで、自分にとって必要かどうかを判断しやすくなります。必要な物やサービスを購入できれば、ショッピングローンでの返済中に後悔することはないでしょう。
支払い回数はできるだけ長めに取る
少しでも返済をスムーズにするために、支払回数をできるだけ長めに取ることもおすすめです。支払回数を長めに取ることで毎月の支払額を抑えられ、家計に余裕を持たせられます。
貯蓄に余裕がある人は、浮いたお金で資産運用に取り組むとよいでしょう。NISAのつみたて投資枠でインデックスファンドに積立をすれば、年平均3~7%の運用益が期待できます。
積立期間が長期に渡るほど運用益は大きくなるので、まだ資産運用に取り組んでいない人は、ぜひこれを機に検討してみてください。
資産運用にはリスクがともなうので、運用益がマイナスになって元金を下回ることもあります。
投資は自己責任でお願いします。
完済するまでは別のローンを組まない
少しでも家計管理の負担を減らすために「完済するまで別のローンを組まない」というルールを決めるのも効果的です。返済中のローンが複数もあると残高管理が大変になり、残高不足による滞納のリスクが高くなります。
また、滞納期間が61日以上になると信用情報機関に異動情報が登録され、新規のローンやクレジットカード審査に通過するのが困難になります。
きっちり返済を進められる自信がないという人は、契約するローンの数を少なくしておくことをおすすめします。
金利0のショッピングローンで購入できる物・サービスの例
ショッピングローンを提供している店舗は意外にも多く、金利0で提供しているところも少なくありません。そのため、高額な物やサービスを購入したいときは、金利0のショッピングローンを利用できないか検討してみるといいでしょう。
ここからは、金利0のショッピングローンで購入できる物・サービスの例を紹介します。
- カメラ本体・レンズ
- 家電
- 住宅リフォーム
- バイク
- ブランドバッグ・腕時計
ひとつずつ見ていきましょう。
カメラ本体・レンズ
カメラ本体やレンズは高額になりやすいことから、多くの店舗が金利0のショッピングローンを提供しています。近年はカメラ人口が増加していることもあり、カメラ本体とレンズを合わせても数万円程度で済ませられます。
しかし、機材にこだわるとキリがなく、時には100万円超になることもあるでしょう。
参考までに、カメラ本体およびレンズにかかる費用の例をまとめてみました。
金額 | |
---|---|
ミラーレス一眼(APS-C) | 80,000~200,000円 |
ミラーレス一眼(フルサイズ) | 120,000~500,000円 |
カメラレンズ(APS-C) | 50,000~200,000円 |
カメラレンズ(フルサイズ) | 80,000~800,000円 |
※焦点距離やF値によって大きく変動します
フルサイズのミラーレス一眼だと、数十万円するのが当たり前なので、一括で購入するのは難しい人は多いでしょう。
- フジヤカメラ
- マップカメラ
- カメラのキタムラ など
※2024年4月11日現在
家電
家電でも多くの店舗が、金利0のショッピングローンを提供しています。家電によっては10年以上使う物もあるので、長期に渡って組んだとしても後悔なく利用できるでしょう。
とくに、冷蔵庫やエアコンなどの大型家電は数十万円もするのが当たり前なので、いざ故障したとしてもショッピングローンであれば安心して買い替えができます。
金利0のショッピングローンで家電を購入するにあたって押さえるべき点は、家電量販店だけでなくメーカーでも提供していることです。そのため、欲しいモデルが決まっている人は、家電量販店とメーカーの両方を比較したうえで決めるといいでしょう。
- ビックカメラ
- ヤマダデンキ(ヤマダウェブコム)
- ソフマップ
- Apple
- ソニーストア など
住宅リフォーム
内容によっては100万円超になる住宅リフォームでも、金利0でローンを提供していることもあります。住宅リフォームにおいては「リフォームローン」と呼ばれ、ショッピングローンと同義と考えて問題ありません。
参考までに、一軒家をリフォームした場合にかかる費用を、以下にまとめてみました。
内容 | 費用 |
---|---|
キッチン | 80~200万円 |
浴室 | 50~200万円 |
トイレ | 10~30万円 |
外壁 | 50~300万円 |
窓・サッシ | 10~40万円 |
※リフォーム内容によって料金は異なります
住宅リフォームは内容によっては高額になるので、ショッピングローンの上限額を超過することもあります。そのため、ショッピングローンありきでは考えず、一定以上の自己資金を持っておくといいでしょう。
バイク
バイクも実は、金利0のショッピングローンで購入できる場合があります。本体価格は安いモデルでも30万円はするので、一括で支払うのはかなり難しいものです。
とはいえ、バイクの場合はバイクローンで購入するのが一般的なので、ショッピングローンを提供している店舗はさほど多くないのが現状です。また、ショッピングローンを金利0で提供している店舗でも、返済回数が36回以内などやや短期間であることも考慮する必要があります。
ショッピングローン | バイクローン | |
---|---|---|
金利 | 金利0のサービスもあり | 年1~3%程度 |
最大返済回数 | 12~36回程度 ※金利0適用時 |
60~120回程度 |
バイクローンは金利がやや発生するものの、長期に渡って借入ができることに加え、購入店舗に関係なく利用できることが特徴です。そのため、バイク本体が高額でショッピングローンの返済回数では支払いが困難な場合は、バイクローンの利用を検討するといいでしょう。
金利0のショッピングローンを利用する際は余計な物を購入しないように注意!
高額な物やサービスを分割払いで購入できるショッピングローンを利用すれば、月々の返済額を抑えられます。店舗によっては手数料を自社で負担する形で「金利0」で提供しているので、総返済額が一括払いと同額で済ませられる場合もあります。
ただし、利息がかからないからと言って無計画に契約してしまうと返済が滞り、家計が破綻してしまうリスクがある点に注意が必要です。
そのため、ショッピングローンを利用する際は金利に関係なく「一括払いしかできないとしても購入するか」という観点を持って判断することが大切です。
金利0の特典をうまく活用すれば、必要な物やサービスをすぐに手に入れられます。ぜひ上手にショッピングローンを活用しましょう。