クレジットカードの利用限度額について理解しないまま、利用している人は多いのではないでしょうか。利用限度額を超過してしまうと、一時的にカードを利用できなくなってしまうので、把握しながら利用することが大切です。
本記事では、クレジットカードの利用限度額について以下の内容を解説します。
- 利用限度額の意味
- 利用限度額を超過すると起こること
- 超過しないためのポイント
利用限度額を超えていたために「いざというときに使えない…」という事態を防ぐために、ぜひ理解しておきましょう!
Contents
クレジットカードの利用限度額とは
まずは、クレジットカードの利用限度額の意味について解説します。カード利用者がどのくらいの限度額で利用しているのかについても説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
概要
利用限度額とは、そのクレジットカードで利用可能な金額の総額で、超過してしまうと利用できなくなります。クレジットカードを利用するにあたってさまざまな枠が設けられていますが、いずれも利用限度額に含まれています。
- ショッピング枠
- 割賦枠(分割払い、リボ払い)
- キャッシング枠
とくに、リボ払いやキャッシングを利用している人は利用額が多くなる傾向にあり、利用限度額に達しやすくなるので注意が必要です。
利用限度額を超えたクレジットカードが使えるようになるためには、支払いを済ませて枠を空けなければなりません。
カードごとに見る利用限度額の平均
クレジットカードの利用限度額はカードごとに異なります。参考までに、利用限度額が公表されているクレジットカードをピックアップしてみました。
カードの種類 | ランク | 利用限度額 |
---|---|---|
楽天カード | 一般 | 100万円 |
三井住友カード(NL) | 一般 | 150万円 |
Oliveフレキシブルペイ | 一般 | 100万円 |
ライフカード | 一般 | 200万円 |
J-WESTカード(ベーシック) | 一般 | Visa,Mastercard:100万円 JCB:300万円 |
楽天ゴールドカード | ゴールド | 200万円 |
楽天プレミアムカード | ゴールド | 300万円 |
三井住友カードゴールド(NL) | ゴールド | 300万円 |
J-WESTゴールドカード(ベーシック) | ゴールド | 300万円 |
三井住友カードプラチナプリファード | プラチナ | 1,000万円 |
公表されていないクレジットカードも多いので参考程度ではあるものの、一般カードであれば100万円台、ゴールドカードは300万円程度が相場と言えます。
クレジットカードの利用限度額が決められる要素
クレジットカードの利用限度額は利用者ごとに異なるので、どのように決められるのか気になる人は多いでしょう。利用限度額が決められる要素は、主に以下の3つです。
- 職業・年収
- 信用情報
- カードのランク
ひとつずつ見ていきましょう。
職業・年収
申込者の職業や年収は、利用限度額を決める大きな要素のひとつです。職業や年収を元に、クレジットカード会社が独自で統計的に分析し、利用限度額を算出します。
一般的に、年収と利用限度額には相関性があると言われています。
カード会社によっては職業も判断材料となるものの「どの職業が利用限度額が高くなる」といった基準は公表されていません。
信用情報
クレジットカードを含めた金融サービスの利用状況がまとめられている信用情報も、利用限度額を算出する要素のひとつです。クレジットカード会社は審査を行う際に、信用情報を取りまとめている信用情報機関へ照会し、ローンやクレジットカードの返済状況に問題ないか確認します。
過去に滞納した履歴がある人は審査に落ちやすくなり、仮に通過したとしても低めの利用限度額を提示されます。
また、直近5年以内で61日以上に渡って滞納してしまった人は信用情報に異動情報が登録され、審査に通過する可能性は限りなく低いと考えてください。
カードのランク
クレジットカードのランクが高いほど利用限度額が高めであるものの、審査の難易度は上がります。クレジットカードには大きく分けて、以下4つのランクが定められています。
- 一般カード
- ゴールドカード
- プラチナカード
- ブラックカード
ランクが高いカードは審査に通過するのが難しいものの、一般カードでは受けられない特典や付帯サービスを受けられます。とくに、プラチナ以上のランクになると高年収帯の人でないと、審査に通過できないでしょう。
クレジットカードの利用限度額を超過すると起こること
クレジットカードの利用者が使い過ぎることがないように、発行した時点でカード会社は利用限度額を設けています。一方で、日ごろから高額な決済をしている人は、時に利用限度額を超過してしまうケースもあります。
利用限度額を超過してしまうと、以下のケースが起こりかねないので注意が必要です。
- カードが一時的に利用できなくなる
- リボ払いの場合は超過分を翌月に請求される
ひとつずつ解説します。
カードが一時的に利用できなくなる
利用限度額を超過してしまうと、一時的に利用できなくなります。再度利用するためには、以下いずれかの方法を取る必要があります。
- 利用限度額が下回るまで返済する
- 利用限度額の増額申請をする
増額申請については後述していますが、その際も審査が行われるので、落とされてしまうケースも十分にありえる話です。そのため、基本的な対策は利用限度額を下回る金額まで返済することとなります。
リボ払いの場合は超過分を翌月に請求される
リボ払いに関しては、利用限度額を超過した部分は翌月に請求されることを把握しておきましょう。利用限度額の対象となるのは、普段決済した支払いはもちろん、リボ払いも含まれます。
リボ払いのメリットは、毎月の支払い負担が少額で済むことです。
しかし、超過した部分については一括で請求されてしまうので、支払い計画が一気に狂ってしまうでしょう。
(図解:超過した部分が翌月請求となる)
リボ払いを定期的に使っている人ほど利用限度額に達しやすく、「気が付いたら超過していた・・・」なんてことは決して珍しくありません。リボ払いの利用額が多い人は、超過しそうにないか定期的に確認しておきましょう。
リボ払いについては「【必見】クレジットカードのリボ払いとは?仕組みと利用時の注意点3つを解説」の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
クレジットカードの利用限度額を超えないためのポイント
クレジットカードの利用限度額を超えてしまうと一時的に利用できなくなるので、日常生活に支障をきたすこともあります。そのため、利用限度額を超えることがないように定期的に管理することが大切です。
利用限度額を超えないポイントは、以下の3つです。
- 複数の決済手段に分散する
- 無駄遣いがないか見直す
- キャッシングは極力使わない
ひとつずつ解説します。
無駄遣いがないか見直す
利用限度額に対する根本的な改善策となるのが、無駄遣いがないか見直すことです。当然ながら、支出を減らせれば利用限度額に達する可能性は一気に下がります。
利用限度額に達するのを機に、無駄遣いがなかったのか振り返ってみてください。
クレジットカードの無駄遣いについて詳しく知りたい人は「カードの支払いで給料がなくなる人の特徴4選!家計を整えるために押さえるべきポイントも紹介」の記事を参考にしてみてください。浪費してしまう原因や対策について、解説しています。
複数の決済手段に分散する
特定のクレジットカードに利用額が集中しないように意識することで、利用限度額に達する心配はなくなります。クレジットカードの利用限度額は、多くの場合で100万円~と、比較的高額に設定されています。
このことから、重点的に特定のクレジットカードを利用しない限りは、利用限度額に達することはほぼないと言えるでしょう。複数の決済手段に分散するだけでも、利用限度額を超過するリスクを大幅に下げられるはずです。
- 他のクレジットカード
- スマホ決済
- 現金 など
他のクレジットカードを利用することで利用額を分散させる際は、自分が管理できる範囲の枚数に留めることが大切です。支払管理を徹底しないと、滞納につながってしまう恐れもあります。
キャッシングは極力使わない
クレジットカードの利用限度額の中には、キャッシング枠も含まれています。キャッシング枠を使ってしまうと返済するのが大変なため、極力使わないようにしましょう。
クレジットカードのキャッシングは利用額に対して年15.0~18.0%の利息が発生します。返済時には利息が含まれるため、返済額の全額が元本の返済に充てられるわけではありません。
例えば、金利が年18.0%のキャッシングで30万円を借りて月2万円を返済する場合、元本に充てられるのは15,500円だけ。残りの4,500円は利息に充てられるので、利用額を減らすことにはつながりません。
(図解:キャッシング返済しても全額は充てられない)
キャッシングを利用すると利息が発生し、さらに利用額を下げるスピードも落ちるため、極力使わないようにしましょう。
クレジットカードの利用限度額を引き上げる方法3種類
クレジットカードの利用限度額を超過した場合、支払いを済ませるだけでなく、増額申請も対策となります。増額申請は大きく分けると、以下の2種類です。
- 一時的な引き上げ
- 継続的な引き上げ
- カードのランクを上げる
いずれも審査が必要になるものの、利用することでクレジットカードが使えないといった事態を避けられます。自身の状況に応じて、使い分けるとよいでしょう。
一時的な引き上げ
急な出費に備えるのであれば、一時的に利用限度額を引き上げる方法を取るのがおすすめです。あらかじめ決められた期間中だけ引き上げられ、期間が過ぎたら元の利用限度額に戻ります。
引き上げ期間はクレジットカードにより異なるものの、2~3ヶ月程度です。
後述する継続的な引き上げよりも短時間で審査が終わるため、早急に支払い問題を解決したい場合に効果的です。
継続的な引き上げ
クレジットカードの利用額が多く、毎月限度額に近い金額を利用している人は、継続的な引き上げを選択しましょう。一時的な引き上げと違い、審査に通過したら利用限度額の見直しがない限りは継続して引き上げ後の金額で利用できます。
ただし、一時的な引き上げよりも審査に時間を要するため、すぐにでも利用限度額を超過しそうな人だと間に合わない可能性があります。
カードのランクを上げる
クレジットカードの利用限度額はカードのランクと相関性があるため、グレードアップすることでも引き上げが期待できます。参考までに、カードのランクごとにおける利用限度額をまとめてみました。
カードのランク | 利用限度額 |
---|---|
一般カード | ~150万円 |
ゴールドカード | ~300万円 |
プラチナカード | ~500万円 |
ブラックカード | 1,000万円超 |
なお、利用限度額は審査結果に応じて、利用者ごとに決められます。そのため、高ランクのカードを発行できたとしても、利用限度額は元のカードと同等というケースもあるため確実な方法ではありません。
高ランクのカードを発行する場合は、手持ちカードが利用限度額に達しているときに限定するとよいでしょう。
クレジットカードの利用限度額が減らされた?主な要因
クレジットカードを更新するタイミングで、利用限度額を減らされるケースもあります。事前の通知もなく減らされるため「ふと気づいたときに見てみたら減っていた…」と言ったケースもあるでしょう。
利用限度額が減らされる主な要因は、以下の2つです。
- 滞納を繰り返した
- 他社からの借入が増えた
利用限度額が減らされることがないように、ひとつずつ把握しておきましょう。
滞納を繰り返した
クレジットカードの支払いを滞納してしまうと、利用状況が悪いとみなされ、利用限度額が減らされてしまいます。上述のとおり、利用限度額が決められる要素のひとつが信用情報です。
滞納してしまうと、カード会社が「今後貸し倒れとなってしまうのでは?」と懸念し、自社のリスクを抑えるために利用限度額を減らすことが考えられます。
なお、クレジットカードを更新するタイミングでも審査が行われ、信用情報を照会されます。そのため、他社カードを滞納した場合も大きく影響を及ぼしかねません。
クレジットカードを複数枚持っている人ほど、支払い管理の手間が増えるため、滞納することがないようにきっちり管理しましょう。
他社からの借入が増えた
他社からの借入が増えた場合も、クレジットカードの利用限度額が減らされる要因のひとつとなりえます。借入が多いとカード会社は滞納のリスクが高いとみなし、利用限度額を減らすという判断を下す可能性があります。
- カードローン
- フリーローン
- キャッシング など
クレジットカードの利用限度額が減ることを避けたい場合は、他社からの借入は極力控えるようにしましょう。
クレジットカードを計画的に利用するためには利用限度額を把握することが大切
クレジットカードには利用限度額が設定されており、超過しての決済はできません。そのため、計画的に利用するためには、利用限度額を把握しておくことが大切です。
クレジットカードの利用額が多い人は、発行した時点で必ず確認しておきましょう。
利用限度額を超えてしまったら、支払いを済ませて枠を空けるまでは利用できなくなります。
利用限度額を超えないための対策として、一時的もしくは継続的に引き上げる方法があります。引き上げることでクレジットカードで決済できないという事態を防げるため、資金繰りに困らずに済むでしょう。
クレジットカードが使えない事態を防ぐために、利用限度額を把握して、計画的に利用することが大切です。