クレジットカードの不正利用に遭ってしまった場合、原則としてカード会社から補償を受けられるようになっています。しかし、カードの使い方次第では不正利用に遭ったとしても、補償を受けられないこともあるので注意が必要です!
本記事では、クレジットカードで不正利用に遭ったとしても補償を受けられないパターンについて解説します。今後、不正利用に遭わない根本的な対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
Contents
クレジットカードの不正利用に遭っても補償されなかった理由
クレジットカードの不正利用に遭ったとしても、必ず補償を受けられるわけではありません。ここでは、補償を受けられない理由を4つ解説します。
- 警察に被害届を出さなかった
- 補償期間を過ぎていた
- カード裏面に署名がされていなかった
- 故意または重大な過失により起きた被害である
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 警察に被害届を出さなかった
多くのカード会社では、補償を受ける条件のひとつに警察に被害届を出すことを設定しています。逆に言うと、被害届を出していないと基本的には補償を受けられないと考えてください。
被害を受けたことに気づいたら、早急に被害届を出しましょう。面倒がって後回しにしてしまうと補償期間を過ぎてしまい、補償を受けられなくなってしまいます。
2. 補償期間を過ぎていた
補償期間を過ぎてしまった場合、補償の申請をしたとしても受けられません。カード会社は不正利用の補償期間を定めており、多くの場合、被害を受けた日から60日間と定めています。
とはいえ、実際には不正利用の被害に遭ってから気づくまでに時間がかかることが多いため、補償期間を過ぎてしまうことはよくある話です。
不正利用に気づいたらすぐに補償期間内かどうかを確認し、過ぎていないようであればカード会社に問い合わせをしましょう。
ちなみに、カード会社によっては補償期間を長めに設定していることもあるので、たとえ60日間を過ぎていたとしても諦めないでください。具体的には、dカードの補償期間は90日間と、他カードよりも30日間も長めとなっています。
3. カード裏面に署名がされていなかった
署名していないカードが不正利用されたとしても補償対象外となってしまうケースがある点は、理解しておきましょう。
前提として、クレジットカードは「署名されているカードのみが有効」とされており、決済するためには署名しなければなりません。逆に言うと、カードに署名されていないと言うことは、カード会社の利用規約に合意していないとみなされてしまいます。
署名は意外と忘れがちであるため、受け取ったらすぐに自分の名前を書くようにしてください。
4. 故意または重大な過失により起きた被害である
端から見て「これだったらそりゃ不正に使われるよね」みたいな状況で起きた被害も、補償対象外となってしまいます。具体的には、第三者にパスワードを教えてカードを渡してしまった、などです。
「不正利用に遭わないように努めた人だけが、万が一遭ってしまったとしても補償を受けられる」くらいの意識で、普段からクレジットカードを使うことが大切です。
クレジットカードが不正利用される主な原因
クレジットカードが不正利用される原因は数多くあり、具体的には以下のようなものが挙げられます。
- フィッシング詐欺
- スキミング
- 紛失・盗難
- 不正アクセスによる情報漏洩
- なりすましメール など
あらゆる手口から狙われているので、普段から気を付けながら利用することが大切です。
クレジットカードの不正利用の手口について詳しくは「キャッシュレス決済における不正利用の対策10選!よくある手口と近年の傾向も解説」の記事で詳しく解説しています。クレジットカードに限らずあらゆるキャッシュレス決済についても触れているので、ぜひ参考にしてみてください!
クレジットカードの不正利用に遭っても補償されなかった人が取るべき今後の対策7選
クレジットカードの不正利用に遭ったにもかかわらず、補償されなかった人は、残念ながら諦めるしかありません。むしろ、今回の被害を糧に、今後遭わないための対策を事前に取ることが大切です。
ここからは、今後不正利用に遭わないために取るべき対策を7つ紹介します。
- 裏面に署名されているか確認する
- 明細を定期的にチェックする
- 暗証番号を変える
- スマホやパソコンのセキュリティを強化する
- 不審なメールやURLを開かない
- 支払い時に通知が届くように設定する
- 第三者にカードを渡さない
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 裏面に署名されているか確認する
クレジットカードへの署名は意外と忘れている人が多いので、抜けていないか確認してください。
署名の形式は漢字・アルファベットなどの文体は指定されておらず、好きなように書いて問題ありません。ただし、消えないペンで書くことが必須です。
たかが署名ですが、カードを使うのであれば必須事項となっているので、忘れずに済ませておきましょう。
2. 明細を定期的にチェックする
万が一不正利用に遭ったとしてもいち早く気づけるように、明細を定期的にチェックすることも重要です。多くのクレジットカード会社は、スマホアプリから明細を確認できる機能を搭載しています。
理想は1週間に1度、最低でも月に1度は確認する習慣をつけておくと、不正利用に遭ったとしても補償手続きを期間内に間に合わせられます。
3. 暗証番号を変える
不正利用に遭ったと言うことは、暗証番号が第三者に漏れている恐れがあるので、早急に変えましょう。
不正利用に遭ったことをカード会社に報告したら新しいカードを発行してくれるのにともない、カード番号が変わります。そのため、被害に再び遭う心配はあまりありませんが、それでも暗証番号も変えておいたほうが盤石です。
暗証番号を変える際は、他者から特定されやすい文字列は避けることが重要です。
4. スマホやパソコンのセキュリティを強化する
不正利用の原因が情報漏洩による可能性があることから、スマホやパソコンのセキュリティを強化することも重要です。具体的に取るべき施策を、以下にピックアップしてみました。
- OSを最新のものにアップデートする
- セキュリティソフトを導入する
- WiFiルーターのセキュリティを設定する など
近年のスマホやパソコンでは自動でOSをアップデートしてくれるものが多いので、あまり気にしていない人もいるかもしれません。しかし、中には手動でしかできない仕様になっていることもあるので、この機会に確認しておきましょう。
セキュリティソフトの導入は多少なりとも費用がかかりますが、月額換算で数百円程度で済むことがほとんどです。将来的に数万円の不正利用を防げると割り切って、導入しましょう。
また、普段使いでセキュリティの脆弱なシステムとは連携しないという意識を持つことも大切です。フリーWiFiなどが典型例ですが、利便性が高いのに反して悪意のあるユーザーから狙われやすい仕組みなので、そもそも使わないようにしましょう。
5. 不審なメールやURLを開かない
インターネットを利用していると、心当たりのないメールやURLをいくつも見かけることがあるでしょうが、開かないようにしてください。
とくに、迷惑メールに掲載されているURLはフィッシング詐欺であることが多いです。アクセスしてうっかりクレジットカード情報を入力してしまうと、不正利用の被害に遭ってしまいます。
実際に有名企業やサービスに成りすましている迷惑メールも多く、気を抜いていると引っ掛かってしまうくらい巧妙に作られています。
自分に関係のないメールやURLは受け取らない、開かないという意識でインターネットを利用するようにしましょう。
6. 支払い時に通知が届くように設定する
不正利用をできる限りリアルタイムで把握するのに最も効果的なのが、支払い時に通知が届くように設定することです。万が一、心当たりのない請求があったときに不正利用かどうかすぐにわかり、早急に対処できるので補償を受けやすくなります。
通知方法はカード会社によって異なりますが、具体的に以下のような方法があります。
- メール
- アプリのプッシュ通知
- LINE など
明細のチェックが煩わしく感じる人でも、通知であれば自分で操作することなく受け取れるので、負担にならずに不正利用を察知できます。
7. 第三者にカードを渡さない
故意もしくは過失のある不正利用は補償対象外となることから、第三者にカードを渡さないことも重要です。
故意でなくても紛失などで第三者の手元にカードが渡らないように、しっかり管理することも大切です。どうしても紛失することに不安がある人は、紛失防止タグを財布の中に入れておくのがおすすめです。
万が一見当たらなくなったとしてもスマホから検知できるので、紛失の心配をせずに済みます。
不正利用の対策については「キャッシュレス決済でセキュリティ対策を取れば安全に使える!具体的な対策8つを紹介」の記事でも詳しく解説しています。クレジットカードに限らず他のキャッシュレス決済における対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
クレジットカードの不正利用の被害に遭った人が取るべき対処法
クレジットカードの不正利用に遭わないための対策は講じるべきですが、それでも被害に遭ってしまうことはあるでしょう。そこでここからは、クレジットカードの不正利用の被害に遭った人が取るべき手順を4ステップで紹介します。
- カードの利用停止手続きをする
- 警察に被害届を出す
- 補償の手続きを行う
- カードを再発行してもらう
順番に見ていきましょう。
1. カードの利用停止手続きをする
不正利用に遭っていることに気づいたら、まずはカードの利用停止手続きをしてください。カードを使えるままの状態にしておくと、不正利用の被害が拡大してしまう恐れがあります。
クレジットカードが手元にある場合は、カード裏面に記載されている問い合わせ窓口に電話すれば、利用停止の手続きができます。手元にない場合は、カード会社のホームページへアクセスし、問い合わせ窓口を探しましょう。
2. 警察に被害届を出す
カードの利用停止手続きを済ませたら、警察に被害届を提出してください。被害届は不正利用の補償を受けるために必要になります。
被害届の提出を怠ったために、不正利用の補償を受けられなかったというケースはよくあるので、忘れないようにしてください。
3. 補償の手続きを行う
被害届の提出を終えたらカード会社へ再度連絡して、補償の手続きを行います。ここまで補償期間内に済ませられた場合は、後日に不正利用の被害に遭った金額分が補償されるので、銀行口座を確認しておきましょう。
4. カードを再発行してもらう
不正利用の被害に遭った以上は同じ番号のカードは利用できないため、新しいカードを発行してもらえます。
新しく発行してもらうのにともない、カード番号が変わっているので、各サービスへ変更手続きをしましょう。
クレジットカードの不正利用が補償されないのは元の使い方に問題あり!正しい方法で決済しよう
クレジットカードの不正利用に遭ってしまったとしても、基本的にカード会社は補償してくれます。しかし、不正利用に気づくのが遅かったりそもそも使い方が誤っていたりすると、被害に遭っても補償対象外となるので注意が必要です。
仮に不正利用の補償対象外となってしまったら、今後は被害に遭わないように対策を取るのが建設的です。万が一、被害に再び遭ってしまった場合に備え、クレジットカードの使い方や管理方法を見直すようにしましょう。