「貯蓄をしたいけど、手元になかなかお金が残らない…」
「まずは家計を見直そうと思うけど、どこに問題があるの?」
家計管理にあたり、このようなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
FPとしても活動している土田は、家計管理にお悩みの方に向けて家計簿診断サービスを提供しています。家計を第三者に見てもらうメリットは、自分では気づかなかった問題点がわかるようになることです。
一方で「どのように進められるの?」「本当に効果が出るアドバイスをもらえるの??」と、疑問を抱えている方も少なくありません。
そこで今回は、とある家庭のサンプルを用いて家計簿診断サービスの流れを紹介します。家計管理に悩んでおり、家計簿診断サービスの利用を検討している方は、当記事を元に利用するか否かの判断材料としてください!
Contents
相談者Aさんのプロフィール・現在の家計状況
まずは、Aさん家庭のプロフィールと、現時点での家計状況についてです。
Aさん一家について
- 家族構成
⇒Aさん、配偶者さん、子ども2人(小学3年生、年長) - 手取り年収
⇒Aさん375万円(正社員)、配偶者さん130万円(パート)
(世帯手取り年収505万円) - 居住形態
⇒持ち家(住宅ローン残30年) - 居住地
⇒関東地方(東京23区外)
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
住宅ローン | 100,000円 | 残期間30年、金利年1.8% |
食費 | 90,000円 | 週末に外食が多い傾向あり |
日用品 | 18,000円 | ― |
光熱費(月平均) | 26,000円 | プロパンガス利用 |
自動車関連 | 30,000円 | ・車検、修理代、ガソリン代など ・カーローンの支払いなし |
教育費 | 22,000円 | 第一子のスイミングスクールとそろばん教室 |
衣服・美容 | 20,000円 | ― |
通信費 | 17,000円 | スマホ2台+光回線 |
医療費 | 5,000円 | ― |
生命保険料 | 40,000円 | 貯蓄型+掛け捨て医療保険 |
損害保険料 | 8,000円 | 自動車保険・損害保険の合計 |
レジャー費 | 27,000円 | 旅行・娯楽施設の利用など |
合計 | 383,000円 | |
Aさん手取り | 311,000円 | 正社員勤務 |
配偶者さん手取り | 110,000円 | パート勤務 |
合計 | 421,000円 | |
収支合計 | 38,000円 |
Aさんのご要望
Aさんが家計簿診断サービスを通して実現したいことも聞いてみました。
- 全体の収支はプラスだが、臨時の出費があると一気に赤字に落ちる。そのため、もう少し毎月手厚めに貯蓄できるようにしたい
- 外食やレジャー費など、家族の娯楽につながる支出は極力減らしたくない
- 毎月の貯蓄を手厚めにすることで、今後かさむと想定される教育費にも備えられるようにしたい
上記の点を押さえたうえで、家計の問題点と改善点を洗い出していきます。
Aさんの収支の分析と問題点
ヒアリングした内容を元に、Aさん家庭の家計簿に潜む問題点を洗い出してみました。
- 総務省による家計調査と比較した場合、食費や光熱費は平均の範囲内に収まっています。この項目をこれ以上削ろうとすると却ってストレスになりかねないため、手を付けないほうがよいでしょう
- レジャー・娯楽費用についても世帯平均の範囲内ですので、決して贅沢とは言えない水準です。この水準のままキープで問題ないと思います
- 問題点とは言い切れないものの、住宅ローンの借り換えは選択肢のひとつとして持っておいても良いでしょう。実際に、近年は変動金利で年0.4%~で提供している住宅ローンもあります
- スマホ2台+光回線としては、通信費17,000円は割高に感じます。プランや契約会社の見直しの余地があります
- 生命保険もプランの見直しの余地があるでしょう。2人以上世帯の場合における月平均は2.94万円なので、この水準を目標にしたいところです
問題点に対する改善案
問題点に基づいた改善案として、以下のご提案をさせていただきました。
格安SIMへの乗り換えで月1万円の節約に
通信費については、まず格安SIMへの乗り換えを検討してみてください。3GBのプランであれば毎月1,000円程度、5GBであっても1,500円以内に抑えられます。
見直し前後の例を、比較してみました。
内訳 | 見直し前 | 見直し後 |
---|---|---|
スマホ代 | 12,000円 (6,000円×2台) |
2,500円 (1,000円+1,500円) |
光回線 | 5,000円 | 5,000円 |
合計 | 17,000円 | 7,500円 |
契約会社を乗り換えるだけで、月1万円近く(年11万円)の節約が実現できることがわかります。
格安SIMのデメリットとして、正午(12:00-13:00)や夕方(17:00-19:00)の時間帯が通信速度が下がる点には留意が必要です。それでも、コスパの高い節約術であることに変わりはないため、ぜひ検討してみてください。
生命保険の見直し・解約で月1万円単位で節約できる可能性あり
生命保険は家計調査の平均よりもやや高めであるため、見直しの余地があります。とくに、貯蓄型は保険料がかさみやすいため、見直すだけで月1万円単位での節約が実現できる可能性があります。
見直す際は、以下の観点で見てみてください。
- 他のプランと補償内容が重複していないか
⇒医療保険も別途加入しているとのことなので、保障内容を見比べてみましょう - 保険期間は適切か
⇒満期となる期間まで保障は必要か?短縮する余地はないか? - 保障される金額は余剰ではないか
⇒万が一が起きたとしても貯蓄で備えられるようであれば、下げる余地あり
場合によっては、解約を検討してみても良いでしょう。貯蓄型保険に代わり万が一に備える方法を、以下に提示します。
- 貯蓄を手厚めにする
- 積立投資を行う(NISA、iDeCoなど)
貯蓄型保険に加入した目的が将来の資産形成ということであれば、積立投資は適切な代替案となるでしょう。実際に、積立投資を20年間にわたり行った場合におけるシミュレート結果をまとめてみました。インデックスファンドの投資信託の平均利回りは年3.0~7.0%と言われていることから、今回は年3.0%と年5.0%の2パターンを紹介します。
毎月の積立額 | 利回り年3.0% | 利回り年5.0% |
---|---|---|
月5,000円 | 164万円 (+44万円) |
206万円 (+86万円) |
月1万円 | 328万円 (+88万円) |
411万円 (+171万円) |
月3万円 | 985万円 (+265万円) |
1,233万円 (+513万円) |
ただし、投資信託は元本割れのリスクがあり、上記シミュレートとは異なる結果となる可能性がある点に注意が必要です。
まずは、ご自身が契約されている生命保険の保険料と満期保険金を比較してみてください。そのうえで、貯蓄型生命保険を縮小・解約するか否かを判断してみると良いでしょう。
住宅ローンは変動金利での借換も検討してみる余地あり
少しリスクを取ってでも毎月の負担を抑えたい場合は、住宅ローンの借り換えも検討してみると良いでしょう。現在は固定金利で年1.8%とのことですが、変動金利型であれば金利を引き下げられ、毎月の返済額を抑えられる可能性があります。
- 固定金利
⇒契約してから完済まで金利は変わらない - 変動金利
⇒市場金利に応じて変動する
2025年4月現在であれば、大手銀行やネット銀行であれば変動金利で年0.4%程度の住宅ローンもあるくらいです。今回は、やや高めに見積もって年0.6%の場合における月返済額を比較してみました。なお、今回は残債額が2,780万円と仮定してシミュレートしています。
年1.8%(現在) | 年0.6% | |
---|---|---|
毎月の返済額 | 100,000円 | 84,399円 |
総返済額 | 35,998,406円 | 30,383,780円 |
上記シミュレートでは、毎月1.5万円ほど返済額を抑えられることがわかりました。ただし、住宅ローンの借り換えの際には、以下の2点に注意が必要です。
- 借換に際して100万円近い手数料が発生する
- 変動金利の場合、市場動向によっては固定金利を上回る可能性もある
直近での月返済額は抑えられるものの、金利の上昇によって却って返済の負担が重くなる可能性も考慮したうえで、判断しましょう。
家計のビフォー・アフター
見直しをおこなった結果を、以下の表にまとめてみました。
項目 | 見直し前 | 見直し後 |
---|---|---|
住宅ローン | 100,000円 | 84,400円 |
食費 | 90,000円 | 90,000円 |
日用品 | 18,000円 | 18,000円 |
光熱費(月平均) | 26,000円 | 26,000円 |
自動車関連 | 30,000円 | 30,000円 |
教育費 | 22,000円 | 22,000円 |
衣服・美容 | 20,000円 | 20,000円 |
通信費 | 17,000円 | 7,500円 |
医療費 | 5,000円 | 5,000円 |
生命保険料 | 40,000円 | 8,000~30,000円 |
損害保険料 | 8,000円 | 8,000円 |
レジャー費 | 27,000円 | 27,000円 |
合計 | 383,000円 | 326,000~348,000円 |
毎月3~5万円ほどの節約が可能であり、以下のことが実現できるようにしました。
- 臨時の出費が発生した場合に備え、収支にゆとりを持たせました
- そのうえで、外食費やレジャー費は現状維持としました
今回重点的に見直しをさせていただいた住宅ローン・生命保険・通信費は、いずれも一度見直してしまえば永続的な効果が期待できるものです。そのため、ぜひ見直してみてくださいね。
補足情報
▼家計調査
家計調査報告(二人以上の世帯)-2025年(令和7年)1月分-|総務省統計局
▼生命保険について
生命保険の保険料は年間どれくらい払っている?|公益財団法人生命保険文化センター
▼積立投資のシミュレーション
つみたてシミュレーター|金融庁
▼住宅ローンシミュレーション
住宅ローンシミュレーション|住宅保証機構株式会社