クレジットカードの支払いが間に合わないと、この先問題なく利用できるのか、不安に感じる人は多いでしょう。実際には延滞するのは1回でも避けるべきで、回数を重ねるほど強制解約につながりかねません。
また、信用ブラックの状態となるとあらゆる金融サービスを利用できなくなり、人生設計にも大きな支障をきたすことになるでしょう。
本記事では、延滞が発生した際の具体的な影響から対処法、そして解消後に確認すべきことまで体系的に解説します。延滞してしまった場合の適切な対応方法を知っておけば、深刻な事態を未然に防げるようになるため、ぜひご一読ください。
Contents
クレジットカードの延滞は何回まで大丈夫?回数ごとに起こりうること
クレジットカードの支払いを延滞した場合、何回まで大丈夫なのかは多くの人が気になるところでしょう。ここからは、延滞の回数に応じて起こりうる具体的な影響について説明します。
- 1回目:遅延損害金が発生
- 2回目:信用情報に傷が付く可能性あり
- 3回目:強制解約となることも
延滞1回目:遅延損害金が発生
クレジットカードを1回でも延滞すると、その時点から遅延損害金が発生します。遅延損害金は年14.6~20.0%で計算され、延滞期間に応じて請求額が増えていきます。
なお、延滞回数が増えるほど信用情報に傷が付いてしまいますが、1回程度であれば問題ないことが多いです。
支払いが遅れた場合は遅延損害金が少額で済むうちに、できるだけ早く支払いを済ませましょう。
延滞2回目:信用情報に傷が付く可能性あり
延滞回数が2回目となると、信用情報に延滞した旨を表す異動が登録される可能性が高まります。
異動が登録されると、クレジットカードを新しく作成したり住宅ローンの審査に影響を及ぼしたりする可能性があります。また、カード会社によっては利用限度額の引き下げや、最悪の場合は強制解約となることもあるでしょう。
支払日を忘れていたために延滞してしまった場合は、改めて日程を確認しておくことが大切です。支払日を把握しておけば、その日までに引き落とし口座にお金を用意するように段取りができるようになります。
延滞3回目:強制解約となることも
3回目の延滞ではほぼ確実に信用情報に異動が登録され、加えて、クレジットカードの強制解約につながる可能性が非常に高くなります。クレジットカードを強制解約となってしまうと信用情報にも登録され、他社カードを作成する際にも大きな支障をきたします。
延滞回数を重ねる前に、適切に支払える範囲でクレジットカードを利用することが大切です。
クレジットカードの延滞はどのくらいの期間まで大丈夫か?
クレジットカードの支払いを延滞した場合、回数だけでなく期間も気にする必要があります。たとえ延滞回数が1回程度だったとしても、延滞期間が長くなるほど深刻な状況に陥りかねません。
ここからは、延滞することにより起こりうるペナルティを延滞期間に応じて解説します。
- 1~2ヶ月程度の場合
- 2~3ヶ月以上の場合
理解しておけば「延滞しないように」と意識できるようになるため、ぜひご一読ください。
1~2ヶ月程度の場合
クレジットカードの支払いが滞ると、その翌日からカードの利用が停止されます。また、滞納期間中は遅延損害金が日々加算されていき、延滞期間が長くなるほど支払い総額が増えていく点も見逃せません。
支払いが完了すれば利用制限は解除され、いつも通りに利用できます。クレジットカードを再利用できるようにするためなのはもちろんのこと、遅延損害金を最小限に抑えるためにも、早めに支払いを済ませておきましょう。
2~3ヶ月以上の場合
延滞期間が2,3ヶ月以上に渡ると自身の信用情報に異動が登録されてしまいます。CICやJICCなどの信用情報機関では、延滞から61日以上もしくは3ヶ月以上が経過した場合に登録されると決められています。
信用情報に異動が登録されるとクレジットカードの新規発行はもちろん、住宅ローンやカーローンなど、さまざまな金融サービスの審査に通過しにくくなると考えてください。延滞を解消してから5~7年間に渡り記録は残るため、異動が登録される前に対処することが大切です。
クレジットカードの支払いに間に合わず延滞するとどうなるのか
クレジットカードの支払期日を1日でも過ぎてしまうと、その時点で延滞扱いとなります。多くの人が「数日程度なら大丈夫だろう」と考えがちですが、実際には1日の遅れでもさまざまなペナルティが科せられます。
延滞した場合に起こりうる具体的な影響は、以下のとおりです。
- クレジットカードが使えなくなる
- 電話やはがきなどで督促が来る
- 遅延損害金を払わなければいけない
- 信用情報に傷がついてしまう
- 強制解約となる
ひとつずつ見ていきましょう。
クレジットカードが使えなくなる
クレジットカードの支払いを延滞すると、解消するまではカードの利用が停止されます。再利用が可能となるのはカード会社が支払いを確認できたタイミングで、支払日から3~4営業日後になることもあります。
ただし、延滞の回数や期間によっては利用再開までに審査が必要となったり、利用限度額が引き下げられたりすることもあります。
電話やはがきなどで督促が来る
支払いを延滞すると、カード会社からの督促が段階的に行われます。
まず延滞から数日後に電話による連絡が入り、その後、2週間程度で督促状が届きます。
また、督促状は普通郵便で送られてくるため、家族や同居人の目に触れる可能性もあります。支払日に間に合わなかった時点でカード会社に連絡・相談すれば、督促状が送られる事態を未然に防げる可能性があります。督促状を同居している家族に見られないためにも、早めにカード会社へ連絡しておきましょう。
遅延損害金を払わなければいけない
クレジットカードを延滞すると、支払い金額に対して遅延損害金が発生します。遅延損害金は一般的に年14.6~20.0%程度の利率で計算され、1日でも支払いが遅れると請求の対象となります。
例えば、10万円の支払いが1ヶ月遅れた場合の遅延損害金は、年20.0%の場合で約1,667円です。遅延損害金は日々加算されていくため、延滞が長期化するほど支払い総額が膨らんでいきます。
そのため「たかが1日」と思わず、いち早く延滞を解消することが大切です。
信用情報に傷がついてしまう
延滞回数や期間によっては、個人の信用情報に異動が登録される場合があります。延滞を解消してから5~7年に渡り登録され続け、その間はあらゆる金融サービスの審査に通過するハードルが跳ね上がります。
住宅ローンやカーローンなども利用しにくくなるため、今後のライフプランにも大きく支障をきたしてしまうでしょう。
強制解約となる
延滞が続くと、最終的にクレジットカードの強制解約という事態に発展しかねません。強制解約となった場合、原則として支払い金額の一括返済を求められます。
また、強制解約の履歴は信用情報として記録されるため、他社も含めて新たにクレジットカードを作成することが極めて困難になります。
クレジットカードの支払いを延滞したときの対処法
クレジットカードの支払いを延滞した場合、適切な対応を取ることが重要です。延滞を放置すると遅延損害金が増加したり信用情報に傷が付いたりなど、問題が深刻化してしまいます。
支払いを延滞したときは、以下3つの対応を取りましょう。
- 早急に支払う
- 支払いが難しい場合はカード会社へ連絡する
- 債務整理を検討する
ひとつずつ解説します。
早急に支払う
クレジットカードの支払いを延滞した場合、最優先で支払いを済ませましょう。支払いを済ませて延滞を解消すれば、カードを再度利用できるようになります。
延滞した分の支払い方法はカード会社によって異なるものの、以下の方法で対応しています。
- 口座振り込み
- 口座引き落とし
- コンビニ支払い など
自分にとって支払いやすい方法で対応しましょう。
支払いが難しい場合はカード会社へ連絡する
支払いの目途が立たない場合は、すぐにカード会社へ連絡してください。事情を説明することで、支払日の変更や分割払いへの変更など、柔軟な対応をしてもらえる可能性があります。
ただし、支払い完了までは遅延損害金が発生し続けるため、できる限り早めに返済しましょう。また、カード会社への連絡は平日の日中に行うと、スムーズに進められます。
債務整理を検討する
支払いが困難な状況が続く場合は、債務整理も選択肢に挙がってきます。
債務整理することで、支払い負担を軽減できる可能性があります。とくに、延滞の原因がリボ払いやキャッシングによる高金利の支払いである場合は、利息が発生しなくなることで大幅に返済負担が軽減します。
ただし、債務整理を行うと完済後も5~7年間は信用情報に記録が残り、その間の金融サービス利用に制限がかかる可能性がある点には注意が必要です。
クレジットカードの支払い延滞を解消した後に確認すべきこと
クレジットカードの支払い延滞を解消できたとしても、必ずしも以前と同様の状態で再利用できるとは限りません。延滞を解消したら、以下の2点を確認しておきましょう。
- カードが使えるようになっているか
- 信用情報に傷がないか
とくに、延滞期間が長引いた場合は、支払いを済ませただけでは対応が不十分なケースもあります。ひとつずつ見ていきましょう。
カードが使えるようになっているか
クレジットカードの延滞を解消すると、利用停止されていたカードが再利用できるようになります。しかし、カード会社のシステム更新のタイミングや事務手続きの都合により、即座に利用可能とならないケースもあります。
実際に、JCBカードでは3~4営業日はかかると公表しています。
JCBカードでは、支払日に振り替えができなかった場合、お支払いの確認ができるまで利用が制限されます。その後、JCBにて入金確認した翌日から、カードの利用が可能です。JCBで入金確認できるまで、お支払いされた日から3~4営業日後となります。
重要な買い物や支払いを予定している場合は、事前にカード会社に確認するかテスト的に少額で決済してみるとよいでしょう。
また、利用できるようになったとしても利用可能額を減らされているケースもあります。そのため、利用可能額ギリギリまで決済していることが多い人は、忘れずに確認しておきましょう。
信用情報に傷がないか
基本的に、延滞の回数が1回程度および期間が2ヶ月以内の場合は、通常は信用情報へ異動は登録されません。
ただし、延滞期間が長期化した場合や複数回にわたり延滞してしまった場合は、異動が登録されている可能性があります。とくに、延滞回数が3回以上または延滞期間が3ヶ月を超えた場合は、ほぼ確実に異動が登録されていると考えられます。
登録されているか心配な場合は、CICやJICCなどの信用情報機関に開示請求を行い、自身の信用情報を確認してみるとよいでしょう。
クレジットカードの延滞はたかが1回でも注意が必要!
クレジットカードの延滞は、たとえ1回であってもさまざまなペナルティが発生します。
支払いに遅れるとまず、カードが即座に利用停止となり、遅延損害金が発生します。延滞が2回以上続くと信用情報に傷がつく可能性が高まり、3回以上の延滞では強制解約となりかねません。
延滞してしまった場合はまず、早急に支払いを済ませてください。支払いが困難な場合は、すぐにカード会社へ相談しましょう。
どうしても支払いが難しい場合は、債務整理も選択肢のひとつです。しかし、完済後も5~7年間は信用情報に記録が残るため、慎重な判断が必要です。
クレジットカードは計画に利用し、適切に返済管理を行いましょう。