クレジットカードの中には積立投資ができるカードがあり、積立額に応じてポイントが付与されます。貯めたポイントは支払いに充てられたりグッズなどと交換できたりと、さまざまな使い道があるので、上手く使えば家計にゆとりを持たせられます。
本記事では、クレジットカードで投資を行うことで還元されるポイントについて解説します。
クレジットカードや証券口座の選び方がわからない人に向けて、記事の後半ではおすすめのサービスも紹介しています。「投資のリスクは最小限に抑えたい…」と言う人におすすめの投資方法なので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
ポイントが貯まるクレジットカード投資とは
クレジットカードの中には、カード決済により積立投資ができる制度があります。指定された証券会社で購入した投資信託の積立額に応じてカードのポイントが還元され、買い物の支払いに充てたりグッズ・金券と交換できたりします。
積立投資ができるクレジットカードは証券会社ごとに決められているので、場合によっては新たに証券口座を開設しなければなりません。
クレジットカードによる積立投資では原則として、年間60万円の上限額が定められているので、まとまったポイントが還元されます。ポイントを貯めており、かつ資産運用を考えている人は、ぜひ利用したいところです。
クレジットカード投資で貯めたポイントの使い道
クレジットカードによる積立投資で貯めたポイントの使い道は、主に以下の4つです。
- 普段の買い物の支払いに充てる
- 金券やグッズと交換する
- 他のポイントやマイルに交換する
- ポイントを投資に回す
利用しようと思っているポイントの使い道を把握したうえで、サービスを選ぶようにしましょう。
1. 普段の買い物の支払いに充てる
貯めたポイントを普段の買い物の支払いに充てれば、手元の資金に余裕を持たせられます。買い物での使い方はポイントごとに異なり、ポイントカードをレジに出すだけで支払えたり、専用のプリペイドカードへ移行したりする方法があります。
貯めようと思っているポイントが身近な店舗での支払いに充てられれば、持て余すことなく使い切れるでしょう。
2. 金券やグッズと交換する
ポイントによってはギフトカードや図書券などの金券や、日用品・生活家電などのグッズと交換ができます。
金券に交換すれば有効期限がなくなるので、好きなタイミングで支払いに充てられるようになります。
また、ポイント数に応じて日用品や生活家電などのグッズとの交換も可能です。グッズによっては定価よりも安く手に入れられるので、節約につながる可能性があります。
ただし、金券やグッズに交換する場合、まとまったポイントが必要になる点は理解しておきましょう。そのため、目標ポイント数まで貯めるのが難しいと感じたときは、他の方法で消費するのがおすすめです。
3. 他のポイントやマイルに交換する
他に貯めているポイントがある場合は、交換して一つに集約するのもおすすめです。中には手数料がかかることもありますが、基本的には等価値での交換となります。
ポイントを貯めても端数にしかならないと、どうしても使いづらくなってしまうものです。ポイント間で交換して一つに集約することで、使い道が一気に広がります。
また、貯めているポイントが複数に渡ると管理が大変になり、期限を失効しやすくなってしまいます。
交換に対応している場合はポイントを一つに集約して、使いやすいようにしておきましょう。
4. カード請求の引き落としに充てる
カード支払いの請求があったときに、ポイントを充てて引き落とし額を抑える使い方もあります。1ポイントからでも利用できるので、端数であっても使い道に困ることがありません。
カード請求額にポイントを充てることで手元の使えるお金を増やせるので、家計に余裕ができます。目先の支払いが困難な場合におすすめの使い方です。
5. ポイントを投資に回す
貯めたポイントは投資にも回せます。ポイントを投資に回すことで投資効率がよくなり、運用益の向上が期待できます。
投資に回せば増える可能性がある一方で、ポイントのまま保有していたとしても変動はありません。
ただし、投資に回しても確実にお金を増やせるわけではないので、慎重に運用することも大切です。
ポイントだけではない!クレジットカードで投資を行うメリット3選
クレジットカードで投資を行うことでポイントが還元されるので、お得に運用できるようになります。しかし、クレジットカードの投資にはポイント以外にも、以下のようなメリットがあります。
- 積み立て忘れる心配がない
- 口座残高がなくても積み立てられる
- 年間利用額に算入できてボーナスを受けられる
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 積み立て忘れる心配がない
クレジットカードによる積立投資は毎月決まった日に買付がされるので、買い忘れる心配がありません。前提として、投資信託を行うのであれば定期的に欠かさずに、積み立てることが大切です。
しかし、手動で積み立てていると買付を忘れてしまうことが考えられます。
クレジットカードによる積立投資であれば、毎月自動で決まった金額分を購入してくれるので、ほったらかしで運用ができます。
毎月欠かさずに積み立てられるという自信がない人にとっては、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
2. 口座残高がなくても積み立てられる
クレジットカードによる積立投資はカードのショッピング枠を利用して積み立てることになるので、その時点で口座残高にお金がなかったとしても、問題なく買付ができます。
ただし、買付日の時点で口座にお金がなくても問題はないものの、カード引き落とし日に入っていないと利用停止につながる恐れがあります。そのため、口座の残高管理は毎月欠かさずに行うことが大切です。
3. 年間利用額に算入できてボーナスを受けられる
クレジットカードによる積立投資の多くは積立額の全額を、カードの年間利用額に算入できます。カードによっては年間利用額に応じてボーナス特典を受けられるので、達成する難易度が一気に下がります。
年間利用額によるボーナスは下限が50万~100万円とハードルが高く、ショッピングだけで達成するのはかなり難しいです。クレジットカードによる積立投資であれば毎月5万円を積み立てるだけで年間60万円になるので、達成しやすくなります。
年間利用額によるボーナス特典があるカードを利用している人ほど、お得になる制度と言えるでしょう。
クレジットカードで投資を行う際に知っておくべき注意点
クレジットカードによる積立投資はメリットがある一方で、以下の点にも注意しておきたいところです。
- カードによっては年会費がかかる
- 上限額が定められている
- 対象銘柄が限られている
- ショッピング枠を消費する
理解しておかないと、中長期的に見たときに悪影響を及ぼす恐れがあります。ひとつずつ見ていきましょう。
1. カードによっては年会費がかかる
積立投資をするカードによっては年会費がかかるので、負担にならないかどうか検討したうえで選びましょう。サービスによってはカードランクに応じて、還元率が高くなることがあります。
実際に、クレジットカードによる積立投資ができるものの、年会費が高いカードを以下の表にまとめてみました。
カード名 | 年会費(税込) | 積立投資の還元率 |
---|---|---|
楽天プレミアムカード | 11,000円 | 1.0% |
セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード | 22,000円 | 1.0% |
三井住友カード プラチナ | 55,000円 | 2.0% |
三井住友カード プラチナプリファード | 33,000円 | 5.0% |
クレジットカードで上限額まで積立投資したとしても、年会費分をペイするのはかなり難しいです。
そのため、ポイント還元率だけでなくカードの年会費や付帯サービスなど、総合的に判断したうえで積み立てるサービスを選ぶことが大切です。
2. 上限額が定められている
クレジットカードによる積立投資には、1ヶ月間の上限額が月5万円に定められている点も、理解したうえで積み立てなければなりません。
なお、2024年より新NISAが始まるのにともない、月10万円に上限が引き上げられるサービスも出てきます。そのため、利用しようと思っているサービスの上限額を確認したうえで選ばないと、ポイント還元の恩恵を存分に受けられなくなってしまいます。
- エポスカード×tsumiki証券
- セゾンカード・UCカード×大和コネクト証券 など
クレジットカードによる積立投資の上限額については「クレジットカードで投資信託に上限額がある理由とは?金額と注意点を解説【2024年に拡大】」の記事で詳しく解説しています。なぜ上限が定められているのか気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。
3. 対象銘柄が限られている
クレジットカードによる積立投資は、証券会社ごとに買付できる銘柄が指定されている場合があります。対象本数は証券会社によって異なりますが、100本超から選べるサービスもあれば、数本程度しか選択肢がないことも・・・。
対象本数は多ければいいわけではないものの、投資信託に知見のある人ほど物足りなく感じるはずです。
対象銘柄については証券会社のホームページで公表されているので、口座を開設する前に必ず確認しておきましょう。
4. ショッピング枠を消費する
クレジットカードで投資信託を購入する場合、ショッピング枠を消費することになるので、日常の買い物に影響を及ぼすことも考えられます。とくに、利用可能枠が少額だったり毎月ギリギリまで使っていたりする人ほど要注意。
クレジットカードによる積立投資では毎月5~10万円のまとまった金額を積み立てることになるので「ショッピング枠の残額が少なかったから買えなかった・・・」となりかねません。
日常の買い物に支障をきたさないためにも、ショッピング枠は定期的に把握しておきましょう。
クレジットカードの積立投資でポイントが貯まるおすすめサービス
クレジットカードで積立投資ができると言っても、どのカードで、どの証券会社で積み立てればいいのかわからないと言う人は多いのではないでしょうか。
そこでここからは、高還元率でポイントを獲得できるおすすめのサービスを5つ紹介します。
- 三井住友カード×SBI証券
- 東急カード×SBI証券
- マネックスカード×マネックス証券
- 楽天カード×楽天証券
- au Payカード×auカブコム証券
サービスごとに特徴があるので、選ぶうえでの参考にしてみてください。
1. 三井住友カード×SBI証券
証券会社 | SBI証券 |
---|---|
対象クレジットカード | 三井住友カード全般 |
還元率 | 0.5~5.0% |
還元されるポイント | Vポイント |
還元率をとにかく求めるのであれば、最大5.0%のVポイント還元が受けられる三井住友カード×SBI証券の組み合わせがおすすめです。年会費33,000円の「三井住友プラチナリファード」で投資信託を購入すれば、5.0%の還元率が適用されます。
カードによって還元率が異なり、最低でも0.5%のVポイント還元を受けられます。
カード | 年会費(税込) | ポイント還元率 |
---|---|---|
Oliveフレキシブルペイプラチナプリファード | 33,000円 ※初年度無料 |
5.0% |
三井住友カード プラチナプリファード | 33,000円 | |
三井住友カード プラチナ | 55,000円 | 2.0% |
三井住友カード プラチナ PA-TYPE | 55,000円 | |
三井住友ビジネスプラチナカード for Owners | 55,000円 | |
Oliveフレキシブルペイ ゴールド | 5,500円 ※初年度無料 |
1.0% |
三井住友カードゴールド | 5,500円 ※年間100万円以上の利用で翌年以降は永年無料 |
|
三井住友カード ゴールド PA-TYPE | 5,500円 ※年間100万円以上の利用で翌年以降は永年無料 |
|
三井住友カード(NL) | 永年無料 | 0.5% |
3万~5万円もの年会費が負担に感じる人は、5,500円で済むゴールドカードを検討してみてください。還元率は1.0%とやや低めに感じられるものの、他社サービスと比較してコスパよく利用できます。
高還元を目当てに無理してランクの高いカードを発行したとしても、年会費が負担に感じるでしょう。そのため、自身のカードの使い方に応じて決めることが大切です。
2. 東急カード×SBI証券
証券会社 | SBI証券 |
---|---|
対象クレジットカード | TOKYU CARD |
還元率 | 0.25~3.00% |
還元されるポイント | TOKYU POINT |
SBI証券は三井住友カードだけでなく、TOKYU CARDで積み立てた場合でも、最大3%のポイント還元を受けられます。TOKYU CARDは東急線に乗車したり東急グループで買い物をしたりすることで、効率よくポイントを貯められます。
PASMOへチャージすることでも貯められるので、公共交通機関を利用する機会が多い人におすすめです。
還元率の算定は非常に複雑で、以下の要素を元に決められます。
- カードランク
⇒ゴールド・プラチナほど高還元 - TOKYU ROYAL CLUB ステージ
- 年齢
⇒若年層ほど有利な傾向あり - 年間利用額
⇒ポイント加算月の前月より12ヶ月間で200万円が判断基準 - SBI証券投資信託保有残高
⇒判断基準は保有残高500万円 - 毎月の積立額
⇒50,000円未満は対象外
とはいえ、3%も還元される可能性があるサービスはかなり少ないので、東急グループでカード決済する機会が多い人には検討の余地があるカードと言えます。
3. マネックスカード×マネックス証券
証券会社 | マネックス証券 |
---|---|
対象クレジットカード | マネックスカード |
還元率 | 1.0~1.1% |
還元されるポイント | マネックスポイント |
条件に左右されずに安定してポイント還元を受けたいのであれば、マネックスカードを使ってマネックス証券で積み立てるのがおすすめです。マネックスカードは年会費が初年度無料、2年目以降も550円と負担が少ないうえに、ショッピング時にも1.0%のポイントが還元されます。
ポイント還元は100円ごとに1ポイント、さらに1,000円ごとに1ポイントが付与されるので、1,000円以上の利用であれば1.1%の還元率となります。
貯めたポイントは投資に回したり他社ポイントと交換したりといった使い道があり、1円からでも利用できるので、持て余す心配がありません。
ポイント還元率は最低で1.0%というのは、他サービスと比べても高い水準なので、安定してポイントを獲得したい人におすすめです。
4. 楽天カード×楽天証券
証券会社 | 楽天証券 |
---|---|
対象クレジットカード | 楽天カード全般 |
還元率 | 0.5~1.0% |
還元されるポイント | 楽天ポイント |
全国に数多くの加盟店がある楽天ポイントを貯められるのが、楽天証券と楽天カードによる積立投資です。ポイント還元率はカードのランクによって異なり、年会費11,000円の楽天プレミアムカードで積み立てた場合に、最大還元率の1.0%が適用されます。
1.0%という高水準のポイント還元率を受けられるものの、カード年会費が1,000円であることを考えると決して高くはありません。実際に、先述のSBI証券やマネックス証券のほうがカード年会費に対するポイント還元率が高いと言えます。
しかし、還元される楽天ポイントは非常に使い勝手がよく、以下のようにさまざまな使い道があります。
- 楽天カードの請求の支払いに充てる
- 楽天市場などの楽天系サービスの支払いに充てる
- 楽天ポイント加盟店での支払いに充てる
- 楽天ペイでの支払いに充てる
- ポイント投資に回す など
使い勝手のいい楽天ポイントを貯めながら資産運用に取り組みたい人は、ぜひ楽天カードと楽天証券で積立投資を始めてみてください。
5. au PAYカード×auカブコム証券
証券会社 | auカブコム証券 |
---|---|
対象クレジットカード | au PAYカード |
還元率 | 1~3% |
還元されるポイント | Pontaポイント |
au PAYカード×auカブコム証券のクレジットカード投資の特徴は、使い勝手がいいPontaポイントを貯められることです。基本還元率は1.0%と高めなうえに、すべての条件を満たせば12ヶ月間に渡って最大3.0%のポイント還元を受けられます。
- 「auマネ活プラン」に加入する
- NISA口座を保有する
- au PAYゴールドカードを保有する
Pontaポイントを貯めている人ほど、au PAYカード×auカブコム証券は使い勝手のいいサービスに感じられるでしょう。
クレジットカードで投資すれば資産形成をしながらポイントを獲得できる
クレジットカードで投資信託を積み立てればポイント還元を受けられ、買い物がお得になったり投資に回したりできます。2024年より月10万円(年間120万円)まで適用できるサービスであれば、1万円相当以上もお得になる可能性があります。
また、クレジットカード投資は積み立て忘れを防げるので、機会を逃す心配もありません。
ただし、クレジットカード投資でポイント還元を受けるためには、決められたカードで積み立てなければならない点には注意が必要です。また、ショッピング枠を消費するので日常の買い物に支障をきたさないように、ケアすることも忘れてはいけません。
還元されたポイントをうまく活用すれば、資産形成ができるだけでなく、普段の家計改善にもつなげられます。投資信託を始める際は、ぜひクレジットカード投資を始めてみてください。