クレジットカードを申し込むにあたって審査は避けて通れません。カード会社が審査を設ける理由は、利用者が返済能力があるのか判断するためです。
審査に通過できなければクレジットカードを発行できず、実際に落ちてしまう人も一定数います。
そこでこの記事では、クレジットカードの審査に落ちる理由について詳しく解説します。審査基準や落ちた人が取るべき対策もわかるようになっているので、ぜひご一読ください!
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クレジットカード会社が申込み時に審査を行う目的
クレジットカード会社が審査を行う理由は、カード利用者の未払いリスクを最小限に抑えるためです。クレジットカードは利用者の支払い額を、一時的にカード会社が立て替えることになります。
しかし、利用者に支払い能力がなければカード会社は貸し倒れとなってしまい、損失を被る恐れがあります。そこで、貸し倒れリスクの低い人にだけカードを利用してもらうために、カード会社は審査を行うのです。
クレジットカードの審査に落ちる主な理由
クレジットカードの審査に落ちる理由は人によって異なります。主な理由として挙げられるのは、以下の6つです。
- ブラックリストに登録されている
- 借入額が大きく総量規制に抵触している
- クレジットカードを初めて作る
- 申込書に入力ミスがあった
- 短期間で複数枚のカードに申込みをしている
- 返済能力がないとみなされている
ひとつずつ見ていきましょう。
1. ブラックリストに登録されている
信用情報機関の「ブラックリスト」に登録されている人は、かなり高い確率でクレジットカードの審査に落ちてしまいます。ブラックリストとは過去の金融取引が原因で、信用情報機関から「信用リスクが高い」と判断された人の名前が登録されているリストのことです。
カード会社は申込み者の金融履歴をチェックする際に、信用情報機関のリストを参照し、貸し倒れリスクの評価を行います。
ブラックリストに登録される原因の例を、以下にピックアップしてみました。
- 借入金やローンの支払い遅延・延滞
- 債務整理を行った
(任意整理・個人再生・自己破産など) - 携帯端末の分割払いが未払い
- 短期間に複数のクレジットカードに申し込んだ など
上記のいずれかに心当たりのある人は、ブラックリストに登録されている可能性が高いです。
ブラックリストに登録されているか否かを確認する際は、信用情報機関のホームページより情報開示請求ができます。気になる人は、請求してみてください。
2. 借入額が大きく総量規制に抵触している
総量規制に抵触していることも、クレジットカードの審査に落ちる主な理由のひとつとして挙げられます。総量規制とは消費者の借入れ可能な最大額を、年収の3分の1以内に制限することです。
総量規制が設けられている理由は、過度な借入による消費者の多重債務を防ぐためです。
カード申込みの時点で借入額が総量規制を超えている場合、クレジットカードの審査に通過するのはかなり厳しいと言えます。審査を通過するためには、借入れ額を減らすなどの対策が求められます。
3. クレジットカードを初めて作る
クレジットカードを初めて作る人も、審査に影響を及ぼすことがあります。
カードを初めて作る場合、クレジットヒストリーや信用情報がまだ存在しないため、カード会社が申込者の信用度を判断できません。その結果、カード会社がリスクを避けるために審査が厳しくなる場合があります。
しかし、初めてのカード申込みであっても返済能力があることをとを証明できれば、審査を通過する可能性は十分にあります。先述のブラックリストに該当するような経験をしていない人は、初めてであってもクレジットカードに申し込んでみてはいかがでしょうか。
4. 申込書に入力ミスがあった
クレジットカードの審査落ちに意外と多いのが、申込書の入力ミスが挙げられます。些細なミスに思えるかもしれませんが、審査時には大きなネックとなります。
情報が誤っていたり不足していたりすると、申込者を正確に評価するのが難しくなり、不本意でも落とされるといったことも。とくに収入や職歴、住所といった基本情報は、正確に記載することが求められます。
審査において、正確な情報提供は非常に重要です。誤入力や漏れがないように、入念にチェックしておきましょう。
5. 短期間で複数枚のカードに申込みをしている
短期間で複数枚のカードを申し込んだ経験がある人は、信用情報機関のブラックリストに登録されている可能性があり、審査に通りにくくなります。
複数のカード申込みが短期間に集中すると「この人はお金に困っているのではないか」と判断され、カード会社が審査の通過をためらう恐れがあります。仮に、どうしても複数枚のクレジットカードが必要な場合は、申し込む間隔を3~6ヶ月程度は空けるようにしましょう。
6. 返済能力がないとみなされている
クレジットカードの審査において「返済能力が不足している」と評価されると、落ちてしまいます。返済能力は個人の収入や雇用状況、既存の借入れ状況などに基づいて判断されます。
例えば、収入が安定していなかったり多額の借入れを抱えていたりすると、カード会社は貸し倒れのリスクが高いと判断します。
アルバイトやフリーランスなど、社会的に見て安定していないと思われる仕事に就いている場合は、どうしても審査で不利になります。転職したり収入を上げたりするのは現実的ではないため、支払い管理を徹底するなどして、カード会社側のリスクを下げるように努めましょう。
クレジットカードの審査基準
クレジットカードの審査基準について把握しておけば、自然と審査に落ちる理由が見えてきます。カード会社は公表していませんが、主に以下の4つが審査基準として挙げられます。
- 職業・収入
- クレジットヒストリー
- ブラックリストに載っていない
- 他者からの借入額
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 職業・収入
クレジットカードの審査において、職業や収入は申込者の返済能力を示す重要な指標です。正社員や公務員などの安定した職業の人は、カード会社にとって安心して貸付ができます。
収入に関しても一定額以上であれば審査の際に有利に働き、実際に高ランクカードなどは普通のカードよりも基準が高めに設定されています。
一方のフリーランスや非正規雇用など、収入が不安定とみなされる人は、正社員よりも不利に影響すると考えてください。
なお、クレジットカードの審査では年収は自己申告制ですが、通過したいからと言って収入を多めに申告するのはおすすめしません。年齢や勤務先、企業規模などから収入が見合わないと判断されると、審査に落とされてしまう恐れがあるからです。
2. クレジットヒストリー
クレジットカードの審査では、申込者のクレジットヒストリーが大きな役割を果たします。クレジットヒストリーとは、これまでの借入れやクレジットカードの利用状況、およびその返済実績を指すものです。
過去に滞納や延滞を繰り返していた場合、以後のクレジットカードカードの審査に対して不利に働くことが考えられます。
クレジットヒストリーを良好に保つことは、金融機関があなたの信用度を評価するうえで重要な役割を果たします。逆に、過去のネガティブな記録があると、クレジットカードの審査に通過するのは難しくなるでしょう。
3. ブラックリストに載っていない
カード会社がクレジットカードの申込みを受けたら、申込者の情報を信用情報機関に照会し、ブラックリストに載っていないことを確認します。ブラックリストに載ってしまった場合、よほど審査の緩いカードでない限りは通過しないと考えてください。
ちなみに、ブラックリストに一度載ってしまったとしても、永久に残るわけではないので安心してください。完済してから5~7年も経てば、ブラックリストから消えるとされています。
4. 他社からの借入額
法律で総量規制が設けられている以上、異なる金融機関やクレジットカード会社など他社からの借入額も、審査基準として設けられています。
多額の借入額を抱えている場合、申込み先のカード会社から「返済されないリスクがある」と判断される可能性があります。カード会社の目線では、借入額が少ない人ほど未払いリスクが低いと判断するものです。
他社カードの利用額やローンなどの負債が多い場合は、審査に影響する可能性があることを理解しておきましょう。
【落ちた人必見】クレジットカードの審査に通過するために取るべき対策
クレジットカードの審査に落ちたとしても、対策を取れば次以降に申し込んだとしても通過する可能性は十分にあります。審査に落ちてしまった人は、以下の対策を取りましょう。
- 審査難易度が低いカードを選ぶ
- キャッシング枠をゼロにする
- 使っていないクレジットカードを解約する
- 申込書に固定電話の番号を入力する
- 再申込みは時間を置く
できることから一つずつ、取り入れてみてください。
1. 審査難易度が低いカードを選ぶ
クレジットカードの審査に通過したいのであれば、審査難易度が低いカードに申し込みましょう。クレジットカードは数多くの企業が発行しており、審査が緩いカードも一定数存在します。
初めてクレジットカードを取得する場合や、過去に審査で落ちてしまった経験がある人は、とくに重要視したいポイントです。
審査難易度が低いカードはポイント還元率が控えめであるものの、利用履歴を積むことで信用情報が向上します。信用情報が蓄積されれば、希望するカードへ申し込んだとしても通過しやすくなるはずです。
審査難易度の低いカードについては後述しているので、ぜひ参考にしてみてください。
2. キャッシング枠をゼロにする
キャッシング枠をゼロに設定することで、審査の成功率が上がりやすくなります。キャッシングはすぐに現金化できるため、お金が必要な利用者にとっては大変ありがたい制度です。
しかし、カード会社の視点だとキャッシングがあることで貸し倒れリスクが高くなるので、審査に通過するハードルが上がってしまいます。
そこでキャッシング枠をゼロにすることで、利用者の返済リスクが低下し、カード会社の審査に通過しやすくなる可能性があります。初めてカードを申し込む人や、過去に審査で落ちた経験がある人は、キャッシング枠をゼロにして申し込んでみましょう。
3. 使っていないクレジットカードを解約する
すでにクレジットカードを複数枚持っている人は、使用していないカードを解約するのも有効です。信用情報では、カードの契約状況についても記録されます。
総量規制があるとはいえ、実際に多くのクレジットカードを保有していると、大きな支払いができてしまうものです。そのため、クレジットカードを複数枚保有しているだけで、カード会社から見ると貸し倒れリスクが高まると判断されてしまいます。
不要なカードを解約するだけでも、金融機関からの信頼度向上につながります。また、保有しているカードを減らすことで管理もしやすくなるという、副次的なメリットもあります。
4. 申込書に固定電話の番号を入力する
家に固定電話を設置している人は、クレジットカードの申込書に固定番号を記入しましょう。固定番号があることで評価が上がる理由は、カード会社が連絡を取りやすくなるためです。
また、固定番号は回線の名義人を調べられる特性があることも、信頼度が上がる理由のひとつです。
5. 再申込みは時間を置く
クレジットカードの審査に一度落ちてしまうと、焦ってすぐに再申込みをしたくなるものですが、控えるようにしましょう。短期間に何度も申し込むと「すぐに多額のお金が必要なのか」と判断され、評価が下がる恐れがあります。
同じカードへの再申込みはできれば半年、最低でも3ヶ月程度の間隔は空けておきましょう。再申込みまでの期間を利用して、支出の状況を安定させ、延滞・遅滞がないように支払いを進めることが大切です。
【職業別】クレジットカードの審査に落ちないために押さえるべきポイント
先述のとおり、クレジットカードの審査に落ちる要素のひとつに職業や収入が挙げられます。とくに、正社員や公務員を除いた職業の人は収入不安定とみなされ、審査落ちするリスクは比較的高いです。
ここからは、クレジットカードの審査に落ちないために取るべき対策を職業ごとに解説します。
- 非正規雇用(契約社員・アルバイトなど)
- フリーランス・個人事業主
- 無職
- 学生
- 主婦
ひとつずつ見ていきましょう。
非正規雇用(契約社員・アルバイトなど)
パートやアルバイト、契約社員など、いわゆる非正規雇用の人はクレジットカードの審査に通りにくいとされています。非正規雇用の人であっても、以下に該当する人であればが審査に通過できる可能性は十分にあります。
- 収入証明を提出する
- 勤務年数が長い
とくに勤続年数が長ければ「安定した収入がある」と判断され、審査に通過しやすくなります。
ちなみにぼくも、非正規雇用で働いていた時期にクレジットカードを発行した経験があります。勤続年数は2,3年程度で収入もさほど多かったわけではありませんが、日ごろから遅滞なく支払いを済ませていたために、審査に通過できたと考えられます。
そのため、非正規雇用の人であってもブラックリストに載るような行動をしていない人は、クレジットカードの審査に通過する可能性は十分にあります。
フリーランス・個人事業主
個人事業主・フリーランスはサラリーマンよりも所得が不安定と見られがちで、クレジットカードの審査が厳しくなります。しかし、以下に該当するフリーランス・個人事業主は、クレジットカードの審査に問題なく通過できるでしょう。
- 確定申告書を提出する
- 事業の内容を明確に記載する
- 継続年数が長い
実際にぼくは独立した後に楽天プレミアムカードの審査を受けたことがあるのですが、問題なく通過できました。
個人事業主やフリーランスの1年目だとさすがに厳しいでしょうが、確定申告書を用意できる2年目以降であれば、通過できる可能性は十分にあります。
無職
非正規雇用も含めた仕事をしていない無職の人がクレジットカードを発行するためには、いかに審査の緩いカードを選ぶかが重要です。収入を得られていない状況から、非正規雇用の人よりも難易度はさらに高くなることが予想されます。
とはいえ、クレジットカードを発行したとしても、返済ができなければ本末転倒です。現実的な選択肢として、定職に就いてからクレジットカードの申込みを行うことをおすすめします。
学生
学生も定期的な収入がないとみなされるため、クレジットカードの審査は不利に働きます。学生がクレジットカードの審査に通過するためには、以下のようなアプローチが有効です。
- 学生専用のカードを選ぶ
- アルバイトの収入証明を提出する
- 親や家族の保証人を付ける
学生ならでは利用できる「学生専用カード」は、審査難易度がかなり低めに設定されています。そのため、初めてクレジットカードを持つのであれば、学生専用カードを申し込むといいでしょう。
専業主婦(夫)
専業主婦(夫)の人は「パートナーに生計を支えてもらっている」とみなされるため、審査に通過するのはかなり難しいです。そのため、基本的には専業主婦になる以前に発行したカードを使う、もしくはパートナーの家族カードを利用するのが主な方法となります。
カード会社によっては申込者本人ではなく世帯年収を審査基準にしてくれるところもあるので、発行できる可能性はあります。しかし、申込者本人に収入がないことから、審査に通過できたとしても利用可能額が低めになってしまう点は理解しておきましょう。
審査難易度が低いクレジットカードの選ぶために見るべきポイント2つ
収入が不安定などの理由で、クレジットカードの審査に通過するにあたって不利な条件を抱えている人は、審査難易度が低いカードを選ぶのがおすすめです。審査難易度が低いクレジットカードを選ぶポイントは、以下の2つです。
- カードのランク
- カード会社の種類
ひとつずつ見ていきましょう。
1. カードのランク
クレジットカードによってはランクやグレードが存在し、ゴールドやプラチナなどの高ランクカードは審査難易度も高くなります。
一方で、スタンダードなカードは審査基準が緩めに設定されています。
カードの審査に落ちた人や初めて発行する人は高ランクカードを避け、基本ランクのカードからの申し込むといいでしょう。実際にスタンダードのカードでの利用実績がよければ、カード会社側からランクアップの提案をしてくれることもあります。
2. カード会社の種類
クレジットカードを発行する会社は数多くあるものの、審査基準はそれぞれ異なります。とくに銀行系のカード会社はブランド力や安定性を重視するため、審査基準が厳格なことが多いです。
一方で、消費者金融系や小売り・通販系のカード会社は、審査のハードルが低い傾向が見られます。
消費者金融系 | ACマスターカード ライフカード プロミスVisaカード など |
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小売・流通系 | Amazon Mastercard 楽天カード エポスカード イオンカード など |
なお、カード会社の種類によって審査の厳しさが異なる傾向にあるだけで、上記のカードが緩いわけではない点に注意が必要です。
クレジットカードの審査に落ちたときのおすすめの決済手段4つ
クレジットカードの審査に落ちて発行できなかった場合は、以下4つの決済方法を利用しましょう。
- 家族カード
- デビットカード
- 電子マネー
- スマホ決済
いずれもクレジットカードと同じくらい、もしくはそれ以上に利便性が高いので、ぜひ取り入れてみてください。
1. 家族カード
家族カードはすでにクレジットカードを保有している家族の名義で発行できる、サブカードの一種です。メインカード保有者の信用に基づいて発行されるため、審査は非常に緩い傾向にあります。
専業主婦や学生などには、とくにおすすめのカードです。
ただし、利用限度額はメインカードの設定や保有者の同意に基づくため、事前によく相談することが大切です。自分で審査に通過するのが難しいときは、パートナーや親などのメインカード保有者に、家族カードについて相談してみてください。
2. デビットカード
デビットカードは支払いの度に、連携している銀行口座から引き落とす形式のカードです。クレジットカードと違って基本的に審査不要で作れるうえに、ポイント還元のキャンペーンも受けられるので、お得に利用できます。
銀行口座の残高の範囲内で支払うことが前提となるため、使いすぎる心配がないのも魅力の一つ。クレジットカードを保有できない人が真っ先に考えるべき決済手段と言えます。
3. 電子マネー
電子マネーはタッチするだけでスムーズな支払いができる決済システムです。
- Suica
- 楽天Edy
- WAON
- nanaco
- QUICPay など
審査不要で、チャージすればすぐに利用できる手軽さが魅力と言えます。また後述するスマホ決済と違い、一度チャージしてしまえばオフラインでも利用できるため、通信待ちの手間もありません。
実際に近年ではコンビニやスーパー、交通機関など、利用できる施設は拡大しています。
4. スマホ決済
電話番号とスマートフォンさえあれば利用できるスマホ決済も、クレジットカードに変わるキャッシュレス決済のひとつとしておすすめです。
- PayPay
- 楽天ペイ
- Amazon Pay
- LINE Pay
- d払い など
審査があるクレジットカードとは違い、アプリをダウンロードしてSMS認証を行えば、誰でも始められます。クレジットカードを連携して支払う人が多いですが、事前にチャージして決済する方法も可能です。
スマホをかざすだけで支払いができるので、カードを持ち歩く必要もなく、最小限の荷物で済ませられます。
クレジットカードの審査に落ちる理由は人それぞれ!対策を取れば通過できる
クレジットカードを発行するためには審査に通過しなければならないので、人によっては落ちてしまうこともあります。しかし、審査基準が緩いカードもあるので、すでに落ちてしまった人でも悲観する必要はありません。
注意点としては、短期間に複数枚のクレジットカードに申込みをしないことです。審査落ちしたことに焦ってしまい、他のクレジットカードに同時に申し込んでさらに落ちるという悪循環に陥りかねません。
クレジットカードの審査に落ちたときは、原因を特定したうえで対策を取ってから、再申込みをしてみてください。審査落ちの原因を改善すれば、一度落ちたカードであっても、二度目に通過する可能性は十分にあります。