もう季節が変わるごとにタイヤの履き替えはしなくていい、そんな話があったら聞いてみたくないですか?
車を持つと、住んでいる地域によってはサマータイヤとスタッドレスタイヤを履き替えながら走ることになります。
しかしこの二つのタイヤを所有することで都度タイヤ交換の工賃が発生するし、なにより使わない方のタイヤの保管料も掛かってしまいます。
そういう費用が掛かってしまうのがイヤなので、ぼくの車はオールシーズンタイヤというものを装着しています。
このオールシーズンタイヤにすることで、季節によってタイヤの交換をする必要が無くなります。
それに伴い、工賃も掛からなくなるし、タイヤの保管料も不要なので、大きく節約になるのです。

- オールシーズンタイヤの性能について
- オールシーズンタイヤを履くことでいくらの節約になるのか
- 実際の乗り心地はどうなのか??
- オールシーズンタイヤを装着しない方がいい人
Contents
そもそもなんでタイヤを履き替えないといけないの??

そもそもどうして季節に応じてタイヤを履き替えないといけないのでしょうか??
積雪路面を走るためにスタッドレスタイヤを装着するなら、夏でもそのまま走ればいいのでは??と思ってしまいますよね。
まずここでは何のためにタイヤの履き替えを季節ごとに行うのか、ということを説明します。
大まかにですが、タイヤによってこのような特性があります。
- サマータイヤ:水はけがいい、灼熱路面に負けないように剛性がある
- スタッドレスタイヤ:積雪・凍結路でも滑らない
サマータイヤでは夏の灼熱路面でゴムがふにゃふにゃにならないように、硬いものになっています。
水はけ性能も優れており、水たまりの上でもハンドルを取られることなく進むことが出来ます。
反対にスタッドレスタイヤでは積雪・凍結路で滑らないようにするために柔らかめのゴムが使われています。
その反面、水はけが弱いので水たまりを走るとハンドル操作が効かないことがあります。
オールシーズンタイヤとサマータイヤ・スタッドレスの違い
オールシーズンタイヤとは
まずオールシーズンタイヤとはどんなタイヤなのか、簡単に説明していきますね。
名前の通り、季節問わず走ることが出来るタイヤのことです。
通常はサマータイヤを春~秋にかけて履いて走り、雪が積もる冬の季節になるとスタッドレスタイヤに履き替えます。
しかしオールシーズンタイヤであれば夏の乾いた路面であっても冬の雪が積もった路面でもスリップせずに走ることが出来るので、履き替えの手間が省けてしまうのです。
サマー・スタッドレス・オールシーズンタイヤそれぞれの特性
オールシーズンタイヤの性能について、サマータイヤとスタッドレスタイヤとで比較しながら見ていきます。
サマータイヤ | スタッドレスタイヤ | オールシーズンタイヤ | |
乾いた路面 | ◎ | △ | ○ |
湿った路面 | ◎ | △ | ○ |
積雪 | × | ◎ | ○ |
アイスバーン | × | ◎ | △ |
参照:[メリット・デメリット]オールシーズンタイヤの性能比較|株式会社相広タイヤ商会
サマータイヤでは言うまでもなく、積雪路面やアイスバーンは大の苦手です。
実際に冬場にサマータイヤで走って事故が起きるというニュースはよく目にしますよね。
一方のスタッドレスタイヤですが、積雪やアイスバーンではしっかり効果を発揮しますが、それ以外の路面では適しているとは言えません。
特に問題なのは、雨が降った時にスリップしてしまうリスク。
サマータイヤに比べてゴムが柔らかく水を弾く能力が低いため、ハイドロプレーニング現象が起きてしまいます。
ハイドロプレーニング現象
水たまりの上を走るとタイヤが路面から浮いてしまい、ハンドル操作が効かなくなってしまう現象
スタッドレスタイヤにはこのようなリスクがあるため、冬シーズン以外はサマータイヤに履き替える必要が出てくるのです。
このようにサマータイヤとスタッドレスタイヤにはそれぞれ弱点があります。
それらの弱点をすべて補ったタイヤが、オールシーズンタイヤというわけです。
サマー・スタッドレス、オールシーズンタイヤに掛かる費用内訳
ではここからは、オールシーズンタイヤにすることで節約はできるか??ということに触れていきます。
結論から言いますと、オールシーズンタイヤにすることで本来支払うべき項目が減るので、節約にはなります。
サマータイヤ・スタッドレスタイヤに履き替えるときに掛かる費用
まずサマータイヤとスタッドレスタイヤの両方を使う場合にかかる費用について見ていきます。
この場合の年間に掛かる費用の内訳はこんな感じになります。
<サマー→スタッドレス履き替え時にかかる費用内訳>
- スタッドレスタイヤ(履き替え工賃込みで5-6万くらい)
- サマータイヤ保管料:毎月5-6000円くらい
<スタッドレス→サマー履き替え時の費用内訳>
- タイヤ履き替え工賃:一本1000円くらい(合計4000円程度)
- スタッドレスタイヤ保管料:毎月5-6000円くらい
<想定される年間の支出額>
- タイヤ:6万円(サマー→スタッドレス工賃込み)
- タイヤ保管料:6万円(5000円×12ヶ月)
- スタッドレス→サマー履き替え工賃:4000円
- 合計:124,000円
スタッドレスタイヤにする場合、まず言うまでもなくタイヤ本体の費用が掛かります。
そして外したサマータイヤを保管する費用が毎月掛かり、更に履き替えるたびにタイヤ交換の工賃が掛かってしまいます。
これらの費用がかなりかさんでしまうのです。
「自分でタイヤの装着が出来る」とか「タイヤを預けるアテがある」という人は安く済むので問題無いですが、そうでない人の方が多いというのが実際のところだと思います。
オールシーズンタイヤを使用した場合にかかる費用
一方のオールシーズンタイヤを使用した場合の内訳がこちら。
<オールシーズンタイヤ装着時の費用内訳>
- オールシーズンタイヤ
- タイヤ装着時の工賃
履き替える必要が無いので、元履いていたサマータイヤは放棄してしまって大丈夫です。
つまり、スタッドレスタイヤ装着時に比べてタイヤの保管料と都度掛かる工賃を抑えることが出来るようになります。

オールシーズンタイヤも安いものだと5万円くらいから販売されているので、装着時の工賃を合わせても6万円程度と考えれば、スタッドレスタイヤ購入時に比べて半額程度で済むと考えられます。
オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤ、トータルで安いのはどっち??
維持費の面においてはオールシーズンタイヤの方が圧倒的に安く済むことが分かりました。
しかし気にすべきポイントとして、オールシーズンタイヤの方が装着している期間が長いので消耗度が早いということ。
で、スタッドレスタイヤでかかる維持費とオールシーズンタイヤを買い替える速度ではどちらが安く済むのか、ということについてです。
結論としては、購入するタイヤの金額による、という感じです。
スタッドレスタイヤとサマータイヤを履く期間は??
まずスタッドレスタイヤはいつ履くのか?という点から。
地域によって変わってくると思いますが、スタッドレスタイヤは基本的に冬の期間のみ。
雪が降り始める11月の終わりごろから雪が解け終わる4月頭ぐらいまででは無いでしょうか。
大体にして5か月間ですかね。
つまり残りの7か月間はサマータイヤを履くことになります。
言い換えると、オールシーズンタイヤはサマータイヤに比べて1.4倍(=12÷7か月)ほど消耗が早いと仮定できます。


ここでは計算を簡素化するために以下の状況を仮定して進めていきます。
- 毎月同じ距離を走る
- タイヤの消耗度は走行した距離に比例する。今回の場合、毎月同じ距離を走ると仮定しているので、消耗度=装着期間という想定のもと進める
スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤ、安く済むのはどっち??
先述したスタッドレスタイヤに掛かる費用内訳より、履いてない方のタイヤ保管料と工賃を合わせて64,000円ほど掛かります。
またオールシーズンタイヤはサマータイヤに比べて1.4倍ほど早く消耗します。
つまり、
- 購入したタイヤの値段の40%>64,000円→スタッドレスタイヤの方が安い
- 購入したタイヤの値段の40%<64,000円→オールシーズンタイヤの方が安い
と言えます。
ちなみにぼくが購入したオールシーズンタイヤは、工賃込みで55,000円ほどでした。
この金額の40%は22,000円なので、ぼくの場合はオールシーズンタイヤにしたことで4万円ほど節約できたと言えます。
オールシーズンタイヤの実際の乗り心地は?
とはいえオールシーズンタイヤの方が安く済むからと言って、乗り心地が良くないと意味が無いですよね。
ぼくが今のオールシーズンタイヤに装着してもう7ヶ月くらい経ちます。
乗ってみた感想としては、サマータイヤと変わらないんじゃないかってくらい全然気にならないです。
最近夏のように暑い天気の元でも問題なく走れますし、雨の道のりでも大きな水たまりさえ避ければスリップするようなことはありません。
冬場は一度だけ積雪路面を走ったことがありますが、特に問題なく走ることが出来ました。
このことから、走る分には全然問題ないと言えます。
ちなみにスタッドレスタイヤに履き替えると燃費が落ちるというのはよく聞く話ですが、オールシーズンタイヤの場合だと気になるほど燃費に変化は見られませんでした。
燃費については記録を取っていないので説得力に欠けるところなのですが、タイヤ履き替え後の燃費を見ても気に留めるほどでもなかったので。
その他オールシーズンタイヤのデメリット
オールシーズンタイヤを装着することでタイヤの保管料と都度付けかえる工賃を節約できるようになります。
しかし一方で、オールシーズンタイヤはモデルが少ないというデメリットもあります。
オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤほど普及が進んでいないのです。
実際にぼくもタイヤを買おうとしたところ、所有している車に適合しているモデルが2種類しかなかったくらいです。
車種によってはオールシーズンタイヤが無い場合もあるかもしれませんね。
まあちゃんと装着していれば不意の積雪にも対応できるという魅力があるので、今後オールシーズンタイヤの市場は増えていくのではないかと思いますが、
現時点で適合しているタイヤが無い場合は残念、ということで。
豪雪地帯に住んでる人はオールシーズンタイヤはやめた方がいいかも
モデルが少ないことを除けば文句なしと言えるようなオールシーズンタイヤですが、
とはいえ実際には積雪路面やアイスバーンの道路ではスタッドレスに性能面で劣るという事実もあります。
タイヤの節約をしたとしても事故を起こしたところで本末転倒なので、雪がよく降る地域にお住いの人はスタッドレスタイヤを選んだ方が安全かと思います。
毎日雪の上を走る状況にあるのであれば、安全にお金を掛けた方が長い目で見たときに余計な出費に見舞われるリスクも減りますからね。
まとめ
というわけでオールシーズンタイヤについてまとめていきます。
- オールシーズンタイヤはアイスバーン以外の路面であれば季節を問わず走ることが出来る
- 費用面においても、スタッドレスタイヤ装着時に比べて保管料と都度掛かる工賃を節約することが出来る
- デメリットはモデルが少ないこと。車種によっては適合したタイヤが無い場合もあるかも??
もしあなたが乗っている車のタイヤにオールシーズンタイヤがあるようであれば、タイヤに掛かる費用を抑えられるだけでなく、不意の積雪があっても問題なく走ることが出来ます。
タイヤの履き替えをケチって突然の雪の日に走らせて事故を起こすか、それとも突然の雪の日でも走れるだけでなく節約にもなるオールシーズンタイヤを装着するの、
あなたはどちらを選びますか??